母が鍵を持ち歩けなくなった話|認知症と介護保険と名前シール

image 13 認知症ケア

鍵を忘れる、というより持たせられない

母が認知症と診断されて1年半が過ぎた。

📖 この記事でわかること

  • 認知症で鍵を持たせられなくなったわたしの対策

  • AirTag + インソール(7,000円)で母の位置を把握

  • 名前シール(1,650円)で持ち物の紛失も防げた

  • 全て介護保険対象外だが、1万円以下で不安が消えた

黒い財布と金属製の鍵が木のテーブルに置かれている

最初のうちは「あれ、財布どこ?」くらいだった。でもここ数ヶ月で、外出時の鍵の管理が本気で難しくなった。

「鍵持った?」と聞くと「うん」と答える。玄関の鍵かけ忘れ。帰ってきて鍵がバッグに入ってない。

わたしが仕事中に母がデイサービスから帰ってくる日は、鍵を持たせるしかない。でも持たせると失くす。失くすと玄関に入れない。ケアマネから電話がくる。

これが週2回繰り返された。

いつもとは違うと気づいた日

ある金曜日の夜、母が「鍵、持ってたはずなのに」と泣きそうな顔をしていた。

デイサービスの帰り、鍵を探して30分玄関前に立っていたらしい。隣の奥さんが気づいて、わたしの職場に電話してくれた。

それまで「物忘れはあっても鍵くらい大丈夫」と思っていた。でもこの日は違った。

ケアマネに相談した。

「鍵を持たせないで済む方法はないか」と聞いた。

介護保険で使える鍵の対策、ほぼない

ケアマネから返ってきた答えは「鍵は介護保険の対象外です」だった。

車椅子や介護ベッドは保険でレンタルできるのに、鍵は対象外。徘徊対策のGPSやセンサーは保険適用されるけど、「鍵そのもの」は自費で買うしかない。

調べてみると、こういう選択肢があった。

  • キーボックス(暗証番号式の箱を玄関外に設置)

  • スマートロック(スマホや指紋で開く)

  • GPS付き鍵ホルダー(失くしても探せる)

でも母はスマホを使えない。暗証番号も忘れる。

結局、「鍵を持たせない」方向で考えることにした。

物に名前を貼る、という小さな手段

鍵の代わりに、母の持ち物に名前シールを貼ることから始めた。

デイサービスで服やタオルが行方不明になることが増えていた。職員さんが「お名前を」と何度か言ってくれていたのを思い出した。

最初は油性ペンで書いていたけど、洗濯で消えた。アイロンシールも試したけど、剥がれた。

介護用 布シール お名前シール 30枚

介護用 布シール お名前シール 30枚

これは洗濯機で30回洗っても剥がれなかった。乾燥機も大丈夫だった。

母の肌着、パジャマ、靴下、全部に貼った。デイサービスの紛失がゼロになった。

鍵は持たせない、靴に入れる

名前シールで持ち物の紛失は減った。でも鍵の問題は残ったまま。

「鍵を持たせない」なら、どこか別の場所に隠すしかない。

最初は玄関のキーボックスを考えたけど、マンションの廊下に設置すると管理組合から連絡がきそうだった。

AirTag(Apple の追跡デバイス)を靴に入れる方法があることを知った。

Airtag隠せるインソール airtag 靴 gps インソール

Airtag隠せるインソール airtag 靴 gps インソール

これは徘徊対策用に売られているインソール。靴の中敷きの下に AirTag を隠せるようになっている。

母が外出時に靴を履いたままどこかに行っても、わたしのスマホから位置が分かる。

鍵は持たせない。玄関に置いておく。わたしが帰宅してから開ける。母がデイサービスから帰ってきたら、職員さんが鍵を持っていない前提でケアマネに連絡→わたしが早退するか、隣の奥さんに頼む。

これで「鍵を失くして玄関に入れない」は避けられるようになった。

費用と介護保険の有無

ここまでに使った費用は以下。

  • お名前シール30枚: 1,650円

  • AirTag本体(Apple公式): 4,780円

  • AirTag用インソール: 2,380円

合計 8,810円。全て介護保険対象外。自費。

AirTag は年1回電池交換が必要(自分で交換可能、電池は100円ショップで買える)。

介護保険で使える「徘徊感知機器」は、ベッドから降りたときにセンサーが鳴るマット型のもの。鍵やGPSは対象外。

「鍵」も「持ち物の名前付け」も、介護保険の世界では「家族が自力で解決するもの」として扱われている。

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同じ立場の介護者への一言

家族介護の写真

鍵の問題は、介護保険では解決しない。

ケアマネに相談しても「それは自費で」と言われる。GPS は保険外。スマートロックも保険外。

でも逆に言うと、お金で解決できる

AirTag + インソールで 7,000 円。名前シールで 1,650 円。合計1万円以下で、わたしの「母が鍵を失くして玄関に入れない」不安は消えた。

もし鍵を持たせられないなら、持たせない前提で動線を作ればいい。

母がどこにいるか分かるなら、鍵は家に置いておけばいい。

無理に「前と同じ生活」を維持しようとしなくていい。

❓ よくある質問

AirTag は認知症の徘徊対策に使えますか?

使えます。ただし AirTag 本体と、靴に入れるインソールは介護保険対象外なので自費です。AirTag 本体は約5,000円、インソールは約2,500円。年1回の電池交換(約100円)も必要です。

介護保険で使える徘徊対策はありますか?

あります。ベッドから降りたときに検知するマット型センサーや、玄関ドアに取り付けるセンサーがレンタル対象です。ただし GPS 端末や AirTag は保険対象外です。ケアマネに相談してください。

名前シールは介護保険で買えますか?

買えません。介護施設や デイサービスで持ち物に名前を書くのは必須ですが、名前シールは自費です。アイロン式の布シールなら洗濯機・乾燥機に強く、30回以上洗っても剥がれにくいものがあります。

鍵を持たせられない場合、どうすればいいですか?

「持たせない」前提で動線を作ることをおすすめします。スマートロック(暗証番号式・指紋認証式)もありますが、認知症が進むと暗証番号を忘れます。わたしは「母に鍵を持たせず、帰宅時は職員さんから連絡→わたしが帰る」方式にしました。

まとめ|鍵は持たせなくていい

わたしが今回楽になったのは「母に鍵を持たせない」と決めたこと。

  • 鍵を持たせると失くす → 持たせない前提で動線を作る

  • AirTag + インソールで母の位置は分かる(介護保険外・自費7,000円)

  • 名前シールで持ち物の紛失も減った(自費1,650円)

介護保険で解決しないことは、1万円以下の自費で解決できることがある。

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