トイレで母が立ち上がれずにしゃがんだままになっていた朝のこと
要介護3になった母を、賃貸マンションで在宅介護している。在宅介護3年目に入った頃、便座から立ち上がれずに座ったままになっていた朝があった。
呼ばれて駆けつけたら、足は床に着いているのに、手で支える場所がなくて立てない、という顔をしていた。便器の脇には壁紙しかない。
それまで母は手すりなしでトイレに行けていた。ある日急に、というわけではなく、たぶん少しずつ脚の力が落ちていて、その日たまたまうまく上がれなかった。
トイレの立ち上がりは、ある日突然できなくなる、ではなく、徐々に「できる日」と「できない日」が混ざり始める。
うちのマンションは賃貸でリフォームができない。壁にビス打ちもできない。だから「置き型のトイレ用手すり」を探した。失敗込みで3つ通ってきたので、淡々と残しておく。
📖 この記事でわかること
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賃貸でビス打ちできないなら、便器を囲む置き型アームか、床と天井の突っ張り型が現実的な選択肢
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ケアマネさんに先に相談すれば、工事不要の手すりは介護保険のレンタル対象になることがある(自費購入の前にここを確認)
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「便器を囲む据置型」は安定するけど、間口の狭いトイレだと圧迫感が出る。サイズ実測が先
最初に買った据置アーム型と、間口の問題
【Part 1: この商品を選んだ経緯・概要】
最初に買ったのは便器の両脇を囲む据置型のアーム。「6段階高さ調節可能」「工事不要」「日本製」というキーワードで楽天で見つけた。レビューが91件で星4.42、ぱっと見で安心感があった。
基本情報
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価格:¥17,600(2026-04-30時点)
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本体サイズ:幅63.5×奥行62.5×高さ61〜73cm/重量8kg
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工事不要・両面テープと自重で固定/高さ6段階調節
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介護保険:工事不要なら福祉用具貸与(レンタル)の対象になり得る。ケアマネ確認が前提
【Part 2: 実際に使ってみた感想】
組み立ては夫が単身赴任から戻ってきた週末に頼んだ。10〜20分とあったが、女性ひとりだと30分はかかった気がする。
組んでみて気づいた。うちのトイレ、間口がかなり狭い。 メジャーで測ったら、便器の左右に置けるスペースがギリギリだった。
設置自体は入った。入ったけど、母が便器に座るまでの動線(ドアを開けて、振り返って、座る)が思ったより窮屈になった。母から「壁が近づいてきた感じがして怖い」と言われた。
両面テープでの固定は意外としっかり効く。ただし、わたし自身がトイレ掃除をするたびにフレームを跨ぐような姿勢になって、これは長期で腰が辛いやつだ、と気づいた。
そして、本来の目的「立ち上がりを助ける」については、母は片手しか出さない人なので、両側にアームがある必要が実はそこまでなかった。
【Part 3: よかった点・気になった点】
よかった点:
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据置型なので壁に依存しない。賃貸でも置けた
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両側についているので、左麻痺と右麻痺どちらにも対応できる構造
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6段階の高さ調節は実用的(うちは下から3段目が母にちょうどよかった)
気になった点:
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幅63cm超は、間口の狭いトイレだと圧迫感が強い
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介助者がトイレ掃除や付き添いで便器の脇に立つスペースが減る
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重量8kgで、女性ひとりでの組み立て・移動はそれなりに体力がいる
【Part 4: 同じ状況の人への一言・まとめ】
トイレの間口(便器の中心から左右の壁までの距離)を先に実測してから買った方がいい。うちの失敗は、サイズ表記を見ただけで自宅のトイレで測らなかったこと、それだけだった。両側支持が必要な人にはたぶん良い商品。
ビーワーススタイル トイレ用アーム SY-21
《2年後の自分への備忘録》
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据置アーム型を買う前にトイレの間口を実測する(左右の壁から便器中心までの距離を)
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介助者の動線(掃除・付き添いの立ち位置)も同時に考える
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両側支持が必要かどうかは、本人が普段どちらの手で支えているかを観察してから判断
結局これに落ち着いた、片側だけの補助バー
【Part 1: この商品を選んだ経緯・概要】
据置アームを使い続ける気になれず、ケアマネさんに相談したら「壁側に1本だけの補助バーで足りる人もいますよ」と言われた。母が普段右手で壁を触りながら立ち上がっていることを思い出して、片側のみの補助バー型を探し直した。
イーサプライ トイレ用手すり補助具 EEX-SUP02 を選んだ。
基本情報
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価格:¥9,280(2026-04-30時点)
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工事不要・壁際に立てて使える縦長スリムタイプ
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アジャスター付き(多少の段差調整可能)
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介護保険:これも工事不要型なので、レンタル対象になる場合あり。ケアマネに確認した方が早い
【Part 2: 実際に使ってみた感想】
組み立てがほぼ無かった。ベース部に縦のバーを差して締めるだけ。届いたその日にトイレに置いた。
スリムなので、間口が狭いトイレでも圧迫感が出ない。便器の右側、ちょうど壁に沿わせる形で置けた。
母が試した最初の感想は「これで十分」だった。両手で支える必要はなかった、ということが、ここでようやくはっきりした。
2週間使った頃に、ベースの両面テープが床のシートにしっかり食いつき過ぎて剥がす時に少し心配になった。これは据置の宿命なので仕方ない。壁ビス不可の賃貸では、両面テープの強さは長所であり、退去時の弱点でもある。
母がもたれかかる方向にだけ力がかかるので、強度が不安だったが、3ヶ月使って今のところぐらつきはない。
【Part 3: よかった点・気になった点】
よかった点:
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横幅を取らない。間口の狭いトイレでも収まる
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片手で支える人にはこれで十分
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価格が1万円を切っていて、自費でも手が出る範囲
気になった点:
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構造上、両手支持には向かない(左右に体重を振る人には不向き)
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床がフラットじゃないとアジャスターを噛まないと不安定
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退去時の両面テープ跡は事前に大家さん/管理会社に伝えておくのが安全
【Part 4: 同じ状況の人への一言・まとめ】
「壁に手をついて立ち上がっている」タイプの高齢者には、これで足りることが多い気がする。両手支持が必要かどうかは、ケアマネさんや訪問看護師さんに実際の様子を見てもらってから判断するのがいい。わたしは最初それをやらずに据置を買ったのが失敗の原因だった。
イーサプライ トイレ用手すり補助具 EEX-SUP02
《2年後の自分への備忘録》
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片手支持で足りる人には、スリム型の補助バーが圧迫感なく収まる
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賃貸の床両面テープ問題は、跡が残る前提で大家さんに先に共有するのが穏当
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家族の「普段の立ち上がり方」を観察してから商品を選ぶ
玄関にも同じ発想で足した、折り畳み式の手すり

【Part 1: この商品を選んだ経緯・概要】
トイレが落ち着いてから、玄関での靴の履き替えが今度は気になり始めた。母が玄関の框(かまち)の段差で前のめりになりかけたのを見て、ここにも何かいるな、と。
玄関は来客時に外したい場所なので、据置じゃなくて折り畳み型を探した。RAKU トイレ手すり 折り畳み式。元々はトイレ用と書かれているが、玄関の腰掛けの脇に置いて使っている。
基本情報
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価格:¥5,998(2026-04-30時点・タイムセール価格)
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折り畳み式・吸盤付き滑り止め・クランプ固定
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適合幅:横幅32〜40cm、高さ40〜45cm
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介護保険:レンタル対象になる場合あり。サイズが特殊なので導入前にケアマネ確認推奨
【Part 2: 実際に使ってみた感想】
軽い。女性のわたしが片手で持てる。玄関の腰掛けの脇に置いて、母が靴を履く時だけ広げる、という使い方をしている。
来客の時はたたんで靴箱の脇に立てかけておけば邪魔にならない。これは想像通り、というか想像以上に便利だった。
ただし、本来はトイレ用なので便器に挟むクランプの構造になっている。玄関で使うときはクランプ固定ができないから、滑り止め部分だけで支えている。母にも「両手では絶対寄りかからないでね、これは支えにする道具じゃなくて、手を添えるだけ」と何度も伝えた。
折り畳み式は、可動部が増える分、据置よりは長期で見るとガタつくリスクがあるかもしれない。3ヶ月使った今の時点では問題ないが、半年・1年と使ってどうかは観察を続ける。
【Part 3: よかった点・気になった点】
よかった点:
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軽くて女性ひとりでも持ち運べる
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折り畳めるので来客時に隠せる
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値段が1万円を大きく切っている
気になった点:
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本来はトイレ用なので、トイレ以外で使う場合はクランプ固定できない(用途外利用は自己責任)
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折り畳み機構があるぶん、長期の耐久性は据置型より見守りが必要
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サイズが小さめ。便器が大きい家庭ではフィットしないことがある
【Part 4: 同じ状況の人への一言・まとめ】
「常設したくない場所」「使うときだけ出したい場所」には折り畳み型が合う。ただし、本来の用途(トイレ)以外で使うときは、製品の固定機構を活かせない可能性があるので、支えではなく添える程度の使い方にとどめるのが安全。本格的な体重支持が必要な玄関なら、ケアマネさんに相談して玄関用の手すりレンタルを検討した方がいい。
RAKU トイレ手すり 折り畳み式
《2年後の自分への備忘録》
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折り畳み式は「使う時だけ出す」場所に合う。常設には据置型が安心
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本来用途以外で使う場合は固定機構が活きないので、過信しない
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玄関での本格支持が要るなら、ケアマネ経由で玄関用手すりレンタルを別途検討する
3点を並べて振り返る、迷った時の判断軸
3つ買って、それぞれ違う場所で使っている。並べて整理しておく。
| 項目 | ビーワーススタイル SY-21 | イーサプライ EEX-SUP02 | RAKU 折り畳み式 |
|---|---|---|---|
| 価格 | ¥17,600 | ¥9,280 | ¥5,998 |
| 形状 | 据置アーム両側囲み型 | 縦バー片側スリム型 | 折り畳み式 |
| 工事 | 不要 | 不要 | 不要 |
| 向く人 | 両手支持が要る人 | 片手支持で足りる人 | 一時的に出したい人 |
| 介護保険 | 工事不要型レンタル対象になり得る | 同上 | 同上(要ケアマネ確認) |
買う前に観察すべきだったのは、「母が普段どちらの手で支えているか」「トイレの間口は何センチか」「介助者がトイレで動く動線はどれくらい必要か」の3点だった。これを先にやっていれば、最初に¥17,600を払う必要はなかったかもしれない。
ただ、最初の据置を買ったから「両側は要らない」と分かった、とも言える。失敗料と思えば気は楽だが、これから買う人が同じ道を辿る必要はない。
《2年後の自分への備忘録》
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観察→ケアマネ相談→商品選定、の順番が一番安い
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賃貸の場合は「壁ビス不可」を制約として最初に書き出す
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1万円超の据置を買う前に、まず1万円以下のスリム型で足りるかを試す手もある
工事不要の手すりは、介護保険レンタルの可能性を先に潰しておく

ここまで書いて、自費購入の話ばかりしてしまった。最後に保険の話を1つ残しておく。
工事不要の手すりは、介護保険の福祉用具貸与(レンタル)の対象品目に入っている。月数百円程度の自己負担で借りられることがあるらしい。「らしい」と書いたのは、要介護度・対象商品・地域のサービス事業者によって扱いが変わるからで、わたしが断言できる話じゃない。
大事なのは、楽天で「ポチる前に」一度ケアマネさんに「この手すり、レンタル対象になりますか」と聞いてみること。
うちは正直、最初の据置を買う時にこの一手を飛ばした。後悔とまでは言わないが、聞いてから決めればよかった、とは思っている。
❓ よくある質問
トイレ用手すりは介護保険でレンタルできますか?
工事不要のタイプ(置き型・据置・突っ張り型など)は福祉用具貸与の対象品目に入っているため、レンタルできることが多いです。ただし要介護度や地域の事業者によって扱いが変わるので、購入前にケアマネジャーに確認するのが確実です。
賃貸マンションでトイレ手すりを設置する時、何を一番気にすべきですか?
壁にビス打ちができないことを前提に、置き型か突っ張り型を選ぶことになります。置き型なら床の両面テープ跡が退去時に問題になることがあるので、事前に大家さん・管理会社に共有しておくと安心です。
据置の両側アーム型と、片側だけのスリム型はどう選べばいいですか?
普段の立ち上がり方を観察して、両手で支える人なら両側アーム型、片手で壁を触って立ち上がる人なら片側スリム型で十分なことが多いです。トイレの間口(便器中心から左右の壁までの距離)も先に実測して、両側アーム型が物理的に入るか確認しておく方がいいです。
折り畳み式の手すりは普段使いに耐えますか?
1日数回の立ち座り程度なら問題なく使えています(うちは3ヶ月時点で異常なし)。ただし可動部があるぶん、据置型より長期の耐久性は見守りが必要です。常設して毎日強い力をかけ続ける場所なら、据置型のほうが安心だと思います。
トイレ手すりはいくらくらいから買えますか?
提供データの範囲では¥5,998(折り畳み式)から¥17,600(据置両側アーム型)まで幅があります。スリムな片側補助バー型なら¥9,000台で買えるものもあるので、まずはここから試して合わなかったら買い足す、という進め方が無駄が少ないです。
まとめ|トイレ手すりは「観察→相談→選定」の順番が一番安い
今回の3点を通して気づいたことを、次の自分が楽できるように残しておく。
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観察:母が普段どちらの手で支えているか/トイレの間口は何センチか/介助者の動線にどれだけ余裕がいるか
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相談:ケアマネさんに「この手すり、介護保険のレンタル対象になりますか」と先に聞く
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選定:賃貸ならビス不要前提で、まず片側スリム型で足りるか試す手もある
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失敗込みで分かったこと:両側アーム型を最初に買わなくても、片手支持の人なら片側で十分なことがある



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