トイレから出てくるのに時間がかかるようになった
母が脳梗塞を起こしてから3年。
ここ数ヶ月、トイレから出てくるまでの時間が長くなっていた。立ち上がるのに手間取っているのが廊下から聞こえてくる。最初は気にしなかったけど、ある日ケアマネジャーが訪問に来た時に「トイレでの立ち座りが危ないですね」と指摘された。
転倒のリスクが出てきたということだった。
それまでトイレ用の手すりなんて考えたことがなかった。でも説明を聞くと、洋式トイレは便座が低いから、足腰が弱ると立ち上がるときに膝に負荷がかかる。手すりがあると、腕の力を使って体を支えられるから転倒防止になるらしい。
ケアマネさんが「いくつか見てみてください」と言ったので、調べることにした。
トイレ用手すりは、工事が必要なものと不要なものに分かれている
置き型か壁付けか、迷った話
最初に気づいたのは、手すりの種類が思ったより多いということだった。
大きく分けると、壁に固定する工事が必要なタイプと、工事なしで置くだけのタイプがある。わたしたちはマンション暮らしで、壁に穴を開けるのは避けたかった。だからまず置き型を探すことにした。
ただ置き型でも、スペースが限られたトイレに置けるかどうかが問題だった。うちのトイレは正直狭い。手すりを置いたら移動スペースがなくなるんじゃないか、という不安があった。
ケアマネさんに相談したら「試しに何個か使ってみるのが一番」と言われた。介護保険の福祉用具レンタルは手すりも対象だけど、置き型の場合は購入の方が安いことが多いらしい。だから実際に買って試すのが現実的だと判断した。
《2年後の自分への備忘録》
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壁付けは工事が必要だけど安定性が高い
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置き型は工事不要だけどスペースが課題
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マンション暮らしなら工事なしの選択肢から探るのが無難
アイリスオーヤマの置き型を最初に選んだ理由
最初に買ったのは、アイリスオーヤマの置き型トイレ手すりだった。
理由は単純。楽天のランキングで上位だったし、レビューが63件で評価が4.57だった。「ランキング1位獲得」と書いてあったのも目に留まった。何より価格が8550円という手頃さ。
幅が56〜66cmの範囲で5段階調節できるというのも、トイレの幅に合わせやすそうだった。
届いてから組み立てるのに20分くらいかかった。説明書を読みながらボルトを締めていく作業。そこまで難しくはなかったけど、ひとりでやるのは少し手間だった。
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使ってみたら、母の動きが変わった。立ち上がるときに手すりに手をかけて、体を支えながら立ち上がるようになった。それまでは便座の淵に手をついていたから、より安定した姿勢になったんだと思う。
ただ1つ気になったのは、トイレ内のスペースがやっぱり狭くなったということ。掃除するときに邪魔になるし、介助が必要な場合は横に立つスペースが限られる。
《2年後の自分への備忘録》
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置き型は安定性がある程度ある
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でも狭いトイレではスペースが課題
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掃除のたびに邪魔に感じた
スリムな壁付けタイプに変えたきっかけ
2週間ほど使った後、別の選択肢も試してみたいと思った。
ケアマネさんが「壁に固定するタイプもありますよ」と言ったのを思い出した。工事は避けたかったけど、置き型の場合スペースが限られるなら、壁に付ける方が実は効率的かもしれない。
調べてみたら、工事不要で壁に固定する手すりもあった。両面テープで壁に貼り付けるタイプだ。
イーサプライの補助具を見つけた。こちらはレビューが73件で評価が4.58だった。スリムな設計で、狭いトイレでも壁さえあれば設置できるという説明に惹かれた。
価格は9280円。アイリスオーヤマより少し高かったけど、スペース効率を考えると試す価値があると思った。
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この手すりは、壁に両面テープで固定するタイプだった。ただし「建築基準法に基づく固定式手すりではない」と注記されていた。つまり、体重を完全に預けるような使い方には向いていないということだ。
でも説明を読むと、「立ち座りの補助目的」で「意識がはっきりしている方」が使うものということだった。母の場合、認知面はまだしっかりしているし、完全に体重を預けるのではなく「バランスを取るために手をかける」という使い方なら大丈夫だと判断した。
実際に貼り付けてみたら、スペースが一気に広くなった。掃除もしやすくなったし、介助が必要な場合も横に立つスペースが確保できた。
母の動きも変わらなかった。むしろ、スペースが広いから気持ちよく使えているのか、トイレに行く時間が少し短くなった気がする。
《2年後の自分への備忘録》
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両面テープ式は工事不要で取り外し可能
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スペース効率が置き型より良い
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ただし完全に体重を預ける使い方には向かない
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本人の認知がしっかりしていることが前提
高さ調節できる本格的なタイプも試してみた
3つ目として、もう少し本格的なものも試してみたいと思った。
これは置き型だけど、高さが61〜73cmの範囲で6段階調節できる。レビューが91件で評価が4.42だった。値段は17600円と、これまでのものより高かった。
手すり部分が天然木でできているというのも目に留まった。金属だけのものより、握った感じが違うかもしれないと思った。
実際に届いて試してみたら、確かに握り心地が良かった。天然木の方が、手にしっくり来る感じがある。高さ調節も細かくできるから、母の身長に合わせて最適な位置に設定できた。
ただ問題は、やっぱりスペースだった。置き型なので、トイレ内に存在感がある。毎日使うトイレだから、スペースの広さは心理的な快適さにも関わってくる。
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3つ試してみて気づいたのは、「正解」というものはないということだった。
置き型は安定性が高いけどスペースを取る。壁付けはスペース効率が良いけど、体重を完全に預けられない。本格的なタイプは高さ調節が細かくできるけど、やっぱりスペースが課題。
結局、わたしたちのトイレのサイズと、母の使い方を考えて、イーサプライのスリムな壁付けタイプに落ち着いた。
《2年後の自分への備忘録》
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置き型は安定性重視
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壁付けはスペース効率重視
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本格的なタイプは調節性重視
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自分たちのトイレサイズと本人の使い方で判断する
2年後、また考え直すかもしれない
今、壁付けタイプを使ってから4ヶ月が経った。
母の状態がまた変わる可能性もある。もし体力がさらに落ちて、手すりに体重を預ける必要が出てきたら、置き型に戻すかもしれない。あるいは、本当に工事をして壁に固定する手すりを付けるかもしれない。
介護は、ずっと同じ状態が続くわけじゃない。だからこそ、「今のうちに試しておく」というのが大事なんだと思う。失敗を恐れずに、いろいろ試してみることで、次の選択肢が見える。
ケアマネさんには「何か変わったら相談してください」と言われている。
そのとき、また一緒に考え直す。
《2年後の自分への備忘録》
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介護の必要性は時間とともに変わる
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今の選択が永遠ではないことを理解する
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ケアマネや訪問看護師に相談しながら進める
まとめ|トイレ用手すりは、スペースと本人の状態で選ぶ
トイレでの立ち上がりが不安定になったときに、手すりの選択肢は意外と多い。置き型・壁付け・高さ調節型と、それぞれに特徴がある。
大事なのは、自分たちのトイレのサイズ、本人の体力、介護者のサポート方法を考えて選ぶこと。そして、状態が変わったら変更することを前提に考える。
わたしたちの場合は、スペース効率と安全性のバランスで、壁付けのスリムタイプに落ち着いた。でも、これが永遠の正解とは限らない。
ケアマネジャーや訪問看護師に相談しながら、その時々で最適なものを選んでいく。それが、在宅介護を続けるコツなんだと思う。
※この記事は2026年4月時点の情報です。介護保険制度は改正されることがあるため、最新の適用条件はお住まいの自治体の介護保険窓口や担当のケアマネジャーにご確認ください。
※介護保険制度の全体像は厚生労働省 介護保険制度の概要(mhlw.go.jp)でご確認いただけます。各自治体の運用は地域差があるので、お住まいの地域の窓口にも相談してみてください。



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