介護食づくりの家電は介護保険で使えるのか|母のために選んだハンドブレンダー

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母の食事が刻み食になって、調理家電を買い足した話

母の咀嚼力が落ちてきたのは、半年ほど前のことです。

それまで普通食で食べられていたのに、ある日「肉が噛めない」と言って残すようになりました。訪問看護師さんに相談したら、刻み食やとろみ食を試してみてくださいと言われて、急に介護食づくりが始まりました。

包丁とすり鉢で何とかしようとした最初の1週間、平日の朝に間に合わなくて泣きそうになりました。仕事に出る前にやることが増えすぎて、回らなくなった、というのが本当のところです。

そこで初めて「介護食を作る家電って、介護保険で何とかならないのかな」と調べ始めました。同じことを考えている同世代に向けて、調べた結果と、結局わたしが自費で買って使っている道具を残しておきます。

家電は介護保険の対象外。でも、買って後悔はしていません。

📖 この記事でわかること

  • 介護食用のブレンダーやミキサーは介護保険の対象外。レンタル品目にも特定福祉用具にも入っていない

  • 最初に安いミキサー(3,980円)を買って、洗浄の手間で挫折。ハンドブレンダーに買い直した

  • 平日の朝の調理時間が15分縮まったので、自費購入でも生活には効いている

介護食を作る家電は介護保険の対象になるか調べた話

嚥下の写真

最初に思ったのは、介護用品なら何でも保険で安くなるんじゃないか、ということでした。

ケアマネさんに電話で確認したところ、答えはあっさりしたものでした。「ブレンダーやミキサーは家電なので、介護保険の対象外です」と。

調べてみると、介護保険でレンタルできるのは車椅子・介護ベッド・手すりなどの福祉用具で、購入対象(特定福祉用具)はポータブルトイレや入浴補助用具などの「肌に直接触れて再利用が難しいもの」に限られています。調理家電はそのどちらにも入っていません。

栄養士さんからも「介護食用の調理家電は自費で買うものですよ」と言われました。配食サービスや介護食の宅配は別枠で介護保険外サービスとしてあるけれど、家庭の家電は基本的に対象にならないという仕組みです。

そう言われて、自費で買うしかないのかと一度がっかりしました。でも逆に「家電だから家族のごはん作りにも使える」と思い直して、介護食兼ふだんの料理用として割り切って探すことにしました。

《2年後の自分への備忘録》

  • 介護食用のブレンダーやミキサーは介護保険の対象外(レンタルも購入補助もなし)

  • 介護保険外サービスとしての配食は別途あるので、調理が無理な日はそちらを併用する選択肢もある

  • 「家族のふだんの料理にも使える家電」として選ぶと割り切りやすい

最初に買った山善のミルミキサーで気づいたこと

最初に買ったのは、楽天で評価の高かった山善のミルミキサーでした。

価格を抑えたかったのと、ミキサーって介護食でも離乳食でもよく出てくるイメージがあったからです。実際に届いてみると、コンパクトで400mLサイズ、確かに「最初の1台」としては悪くなかったです。

ただ、使い始めて1週間で気がつきました。わたしの場合、ミキサーだと毎食前に容器をセットして、終わったら全部分解して洗うのが面倒すぎるということに。

母の食事は1日3回。それぞれ少量ずつなので、ミキサーポットに入れるとほんの数センチ分しか溜まりません。なのに毎回、ジャーの取り外し→刃の取り外し→洗剤洗い→水切り、という工程が発生する。仕事から帰ってきて夕食の支度のあとに、洗い物がもう一段階増える感じでした。

「ミキサーだと回せる量が少なすぎて、刻み食には合わなかったんですよね」と訪問看護師さんに話したら、「ハンドブレンダーのほうが少量に向いてますよ」と教えてくれました。それまでミキサーとハンドブレンダーの違いをよく分かっていなかった、というのが正直です。

このミキサーは結局、母の薬を飲ませる前のゼリー砕きと、週末の自分用スムージーで使っています。介護食のメイン道具にはなりませんでしたが、「サブとして残すのはアリ」という落ち着き方をしました。

《2年後の自分への備忘録》

  • 少量・1日3回の介護食には、容器セットが必要なミキサーは合わなかった

  • 「最初の1台で失敗した」のは、家族介護者あるあるかも。買う前に「1回あたりの量」を考えるべきだった

  • ゼリー砕きや週末スムージー用のサブとしては残せる

ブルーノのハンドブレンダーに買い直した経緯

ハンドブレンダーに買い替えると決めたとき、選んだのはブルーノの「マルチスティックブレンダー2」(7,700円)でした。

選んだ理由はシンプルで、母の食事用の鍋にそのまま突っ込んで潰せるという1点でした。容器を別に用意する必要がない。鍋の中で完結する。終わったら先端のスティック部分だけ流しで洗う。これだけで、わたしの「夜の洗い物が1段階増える」問題が消えました。

価格は7,700円。安いミキサーの倍くらいですが、後述するビタントニオと迷って、付属品の多さでこちらに決めました。混ぜる・つぶす・泡立てる・刻む・砕くの5役で、おかゆ、ポタージュ、刻み肉、いずれも1台で済みます。アタッチメントが3種類ついていて、料理によって付け替える形です。

実際に使ってみて気づいたのは、母の好きだった「かぼちゃの煮物」が再現できるようになったこと。煮ていったあとにブレンダーを鍋に入れて10秒回すだけで、舌でつぶせるくらいの柔らかさになります。母は「あ、かぼちゃ」と分かってくれて、ちゃんと食べました。普通食のときの食事に近づけられたのは、わたしにとっても精神的に大きかったです。

気になった点もあります。本体が400mm近くあって意外と大きく、キッチンの引き出しに収まらなかったので、コンロ脇に立てて置いています。あと、氷を砕くと音がそれなりに大きいので、夜の使用は控えめにしています。

レビュー件数は楽天で26,000件以上ついていて、評価の高さも安心材料でした。介護食用に名指しで設計された商品ではないけれど、結果として「家族のふだんの料理にも、介護食にも使える1台」になっています。

基本情報

  • 価格:¥7,700(2026年5月5日時点)

  • 重量:本体+スティックで約400mm。コードあり

  • 5役:混ぜる・つぶす・泡立てる・刻む・砕く

  • 介護保険:対象外(自費購入)

ブルーノ マルチスティックブレンダー2 BOE140

ブルーノ マルチスティックブレンダー2 BOE140

《2年後の自分への備忘録》

  • 鍋にそのまま入れて使えるので、洗い物が1段階減る

  • かぼちゃ・ポタージュ・刻み肉が1台で済むのは介護食づくりに大きい

  • 本体が長めなので、収納スペースを事前確認するといい

ビタントニオも気になって調べた結果

ブルーノに決める前、もう1台ずっと迷っていたのがビタントニオのハンドブレンダー(5,500円)でした。

決め手はわたしの場合「アタッチメントの数」だったのでブルーノになりましたが、ビタントニオも捨てがたい部分があって、いまも比較記事を書きながら「もう少し早く出会えていたら…」と思うことがあります。

ビタントニオの強みは静音性。母が日中に居間で過ごすことが多く、お昼ごはんを作るときの動作音が大きいと、認知症の影響もあって母が落ち着かなくなることがあります。ハンドブレンダーの「ヴィーン」という音はそれなりに響くので、静音モデルだったら助かったかも、という思いは残っています。

価格もブルーノより2,200円安く、ハンドブレンダーの基本機能(つぶす・混ぜる)が必要なだけなら、ビタントニオで十分という人は多いと思います。「離乳食メイン」「介護食メイン」「軽い使用頻度」ならこちらでも目的は達成できます。

ブレンダー以外のアタッチメント(チョッパー・ホイッパー)まで使うかどうかが分岐点でした。わたしは「いずれ刻み肉や泡立てまでやる気がする」と思ってブルーノにしましたが、本当にブレンダー機能だけでよかった、と振り返れば思う日もあります。

ビタントニオ ハンドブレンダー VHB-10

ビタントニオ ハンドブレンダー VHB-10

《2年後の自分への備忘録》

  • 静音性が必要な人(昼間に同居家族がいる・認知症の方が音に敏感)はビタントニオが選択肢

  • ブレンダー機能だけで十分な人は、価格的にもこちらでアリ

  • 「アタッチメントが多い方を取るか、静音を取るか」の二択になることが多い

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3年目に至るまでに気づいた選び方の基準

いくつか家電を試して、ようやく自分なりの基準ができました。

項目 山善ミルミキサー ブルーノ ハンドブレンダー ビタントニオ ハンドブレンダー
価格 約3,980円 約7,700円 約5,500円
形式 据え置きミキサー ハンドブレンダー(5役) ハンドブレンダー(基本)
1日3食の介護食 △(容器が必要) ◎(鍋直入れ) ◎(鍋直入れ)
静音性
介護保険 対象外 対象外 対象外

3つ並べて見ると、わたしが本当に必要だったのは「容器を別に洗わなくていい」ことだったと改めて気がつきました。最初の山善は機能としては悪くないのに、生活サイクルに合わなかった。

家族介護をしていると、調理時間そのものより洗い物の手間が体力を削ってきます。15分の食事準備のあとに10分の洗い物が積み重なると、それだけで1日のうちの30分が消えていきます。同じ介護食でも、調理→保存→提供→洗浄の動線を1つでも減らせる道具を選ぶのが、わたしには合っていました。

それと、調理家電はどれも介護保険の対象外なので、「家族の料理にも使える」道具として選んだほうが結果的に元が取れます。介護食専用の道具はどうしても出番が偏るので、ふだんの自分のごはんでも回せる汎用ブレンダーを買って正解だったと思っています。

❓ よくある質問

介護食を作るブレンダーやミキサーは介護保険で買えますか?

介護保険の対象外です。レンタル品目(福祉用具貸与)にも、購入補助の出る特定福祉用具にも、調理家電は含まれていません。自費購入になります。

ハンドブレンダーとミキサーはどっちが介護食向きですか?

1日3食、少量ずつ作るならハンドブレンダーのほうが向くことが多いです。鍋に直接入れて潰せるので、容器の取り外しと洗浄の手間が減ります。ミキサーは大量に作って小分け冷凍するスタイルの人向きです。

介護食用のブレンダーは何円くらいから買えますか?

据え置きミキサーは3,000〜5,000円台、ハンドブレンダーは5,000〜10,000円台が中心です。ハンドブレンダーの場合、付属アタッチメントの数で価格が変わります。

飲み込む力が落ちてきたら、ブレンダーで何でも潰せばいいですか?

噛む力と飲み込む力は別なので、自己判断は危険です。むせやすくなった、咳き込むようになったと感じたら、ケアマネさんや訪問看護師さんに相談して、UDF区分(容易にかめる〜かまなくてよい)のどの段階に合わせるかを決めてもらうのが安全です。

まとめ|介護食家電は自費だけど、生活時間を買う買い物

今回の介護食づくりで気づいたことを、次の自分が楽できるように残しておきます。

  • 介護食用の調理家電は介護保険の対象外。自費で買う前提で予算を組む

  • 「1日3食・少量ずつ」のスタイルにはハンドブレンダーのほうが洗い物が少なくて続く

  • アタッチメントの多さを取るか、静音性を取るかで機種を選ぶといい

  • 介護食専用と思わず「家族のふだんの料理にも使える家電」として選んだほうが元が取れる

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