ユニバーサルデザインフードの区分を勘違いして無駄にした話|介護食を選ぶ前に見るべき4点

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ユニバーサルデザインフードの「区分」を、最初は数字くらいにしか見ていなかった

家族で介護食の準備をする様子

母の飲み込みが少しずつ落ちてきた、と訪問看護師さんに言われた冬。

それまで普通のご飯を小さく刻むだけでなんとかなっていたのが、急に「むせ込み」が増えた。本人もご飯のたびに咳き込むのが嫌そうで、食事の時間が短くなっていった。

ドラッグストアでパッケージに「ユニバーサルデザインフード」と書いてある介護食を見つけて、慌ててカゴに放り込んだ。値段も似たようなものだったし、パッケージの絵も似ていた。区分の数字は、ほぼ見ていなかった。

これが最初の失敗。家に帰って開けたら、母にはまだ硬すぎる食感のものを買っていた。返品もできず、結局1ケース分まるごと無駄にした。

区分の数字は「噛む力」と「飲み込む力」をざっくり分けた目印だった。

📖 この記事でわかること

  • ユニバーサルデザインフードは区分1〜4があり、数字が大きいほどやわらかい

  • 「噛める」と「飲み込める」は別の話。両方の弱り方を見て選ぶ

  • とろみ剤と合わせて使う場面が出てくるので、最初に揃えるのは固形食1点+とろみ剤1点が無難

  • 介護食そのものは介護保険対象外。自費購入になる

区分を勘違いした話と、UDFの基本

ユニバーサルデザインフード、長いから以下UDFと書く。

パッケージの裏に「区分1:容易にかめる」「区分2:歯ぐきでつぶせる」「区分3:舌でつぶせる」「区分4:かまなくてよい」と4段階で書いてある。数字が大きいほどやわらかいほうへ寄っていく仕組み、らしい。

最初にわたしが買ったのは区分2。「歯ぐきでつぶせる」と書いてあったから、入れ歯で嚙めない人向けかと思っていた。違った。母には硬かった。

訪問看護師さんに相談したら「お母さんはたぶん区分3か区分4の入り口くらい。ご家族からは『噛めるかどうか』に見えても、実は『飲み込みそこねて咳き込む』の段階に来ていることが多いです」と言われた。

要は、噛めることと飲み込めることは別だった。本人が口を動かしているから「食べられている」と思い込んでいたけれど、喉のほうが追いついていなかったらしい。

ここでようやく、最初の1ケースが無駄になった理由がわかった。

《2年後の自分への備忘録》

  • 区分の数字は「やわらかさ」の段階。1→4でやわらかくなる

  • 噛む力と飲み込む力は別物。家族の目には噛めているように見えても飲み込みは落ちていることがある

  • 最初に区分を間違えると、ケース単位で無駄が出る

区分3「舌でつぶせる」のおかゆに切り替えた|アイソカル 白がゆ

買い直すとき、訪問看護師さんに「ご飯系を1つ、副菜系を1つ、それぞれ区分3で揃えて、合わなかったら区分4に下げてみてください」と教わった。

ご飯系で選んだのが アイソカル 高カロリーのやわらかいごはん 白がゆ 100g × 12個セット。ネスレが出している、舌でつぶせるおかゆシリーズ。

基本情報

  • 価格:¥3,756(2026-05-03時点・楽天)

  • 100g × 12個セット。1食100g・150kcal

  • 区分3「舌でつぶせる」相当

  • 介護保険:対象外(食品扱い・自費購入)

  • 国産精米使用、レンジで20〜60秒で温めて出せる

最初に開けたとき「ふつうのお粥より粒が崩れている感じ」だった。ベタベタはしていなくて、レンゲでひとすくいするとちゃんと形になる。母に出したら、特にむせずに食べきってくれた。これは本当にホッとした。

ただ、150kcalで100gという小ささが盲点だった。1食分には足りないので、汁物や副菜と組み合わせる前提のもの。ここを見ていなくて、最初の頃は「これだけだと量が少ない」と思っていた。あとで気づいたけれど、栄養士さんが言うには「食が細くなった人に少量ずつ高カロリーを入れる設計」とのことだった。なるほど、と思った。

よかった点:

  • 粒のサイズがちょうどよくて、母がむせなかった

  • レンジ加熱の時間が20〜60秒と短い。働きながらでも回せる

  • 1個ずつカップに入っているので、食べきれなかった時の保管に悩まなくて済む

気になった点:

  • 1食100gはやはり少ない。副菜と組み合わせる前提

  • 価格は普通のレトルト粥より高い(自費なのでここは覚悟がいる)

合う人:飲み込みが落ちてきて、お粥のベタつきが嫌な人。介護する側が朝バタバタする家庭。逆に、まだ普通のご飯を小さく刻んで食べられる人には、区分3はオーバースペック。ここはケアマネさんや訪問看護師さんに一度見てもらうのが早い。

アイソカル 高カロリーのやわらかいごはん 白がゆ 100g×12個セット(ネスレヘルスサイエンス)

アイソカル 高カロリーのやわらかいごはん 白がゆ 100g×12個セット(ネスレヘルスサイエンス)

《2年後の自分への備忘録》

  • 区分3で迷ったら、まず1ケースだけ試して様子を見る

  • 量が足りない分は、いつもの汁物や卵料理と組み合わせる

  • 「自費購入」を最初に覚悟しておくと買い物のたびに迷わなくて済む

区分4「かまなくてよい」を試した日|ホリカフーズの初めてセット

そのうち、区分3でもむせる日が出てきた。

ケアマネさんが訪問のときに「もう一段下げて、区分4のミキサー食やペースト食を試しに入れてみるのも手ですよ。1セットで複数の味が入っているお試し用なら、合わなかったときの被害が少ないです」と言ってくれた。

それで頼んだのが 食事で元気!おいしくミキサー初めてセット(ホリカフーズ)。区分4の入門用みたいな詰め合わせ。

基本情報

  • 価格:¥1,900(2026-05-03時点・楽天)

  • 介護食ペーストの詰め合わせ。レトルトでそのまま温められる

  • 区分4「かまなくてよい」相当のミキサー食

  • 介護保険:対象外(自費購入)

  • 初回限定セットなので、合うかどうか試すのに向いている

正直、初めて袋を開けたときは「これを母が食べてくれるのか」と少し不安になった。色味は普通の食事より落ち着いた感じで、形が残っていない。家族が試食してみたら、味は思っていたよりずっとちゃんとしていた。野菜の風味も残っているし、塩気もきちんとあった。

母の反応は意外とよかった。むせ込みが減った、というより「むせ込む暇がなかった」という表現が近い。喉に流れ込む速度が一定で、噛む工程が要らない。本人が驚いて「あら、楽だわね」と言ったのを覚えている。

ただ、これだけで毎日というのはちょっと違う気がした。本人が食べる楽しみとして、噛める日は噛めるものを少しは出したい。だから、わが家では「むせ込みがひどい日だけ区分4」「普段は区分3+汁物のとろみ」という運用に落ち着いた。

食事で元気!おいしくミキサー初めてセット(ホリカフーズ・区分4)

食事で元気!おいしくミキサー初めてセット(ホリカフーズ・区分4)

《2年後の自分への備忘録》

  • 区分4を試すなら、いきなり大量パックではなくお試しセットから入ると失敗が小さい

  • 「毎食区分4」より「むせ込み次第で切り替え」のほうが本人が疲れにくい

  • ペースト食でも味はちゃんとしているので、家族が一度試食してから出すと安心

お茶でむせ始めて、とろみ剤を追加した日|とろみエール

嚥下の写真

固形物のほうの目処が立ったあと、別の問題が出てきた。お茶や水を飲むときに、母がたびたび咳き込むようになった。

ケアマネさんが訪問のときに「飲み込む力が落ちてきてますね。とろみ剤を用意してください」と栄養士さんから連絡があった、と教えてくれた。それまで「とろみ」という概念がなかった。お茶にとろみをつけるなんて、と最初は思った。

説明を聞くと、普通の水や茶は喉を通る速度が速すぎて、飲み込みの反射が追いつかないらしい。とろみをつけると液体がゆっくり喉を通るので、誤って気管に入ってしまうのを減らせるという話だった。

選んだのが アサヒグループ食品 とろみエール 200g×6袋。UDFの「とろみ調整食品」のロゴがついていて、すばやく溶けるのが売り。

基本情報

  • 価格:¥5,280(2026-05-03時点・楽天)

  • 200g×6袋。1袋ずつ使うと衛生的

  • UDFのとろみ調整食品。冷たい飲み物にも溶けやすい

  • 介護保険:対象外(食品扱い・自費購入)

  • ケアマネ・栄養士の指導の上で量を決めるのが前提

最初は分量がわからなくて、お茶にスプーン1杯入れて固まりすぎたり、入れる量を半分にしてサラサラのままだったり、コツを掴むのに2週間くらいかかった。栄養士さんに「茶碗のお茶ならティースプーン軽く1杯から始めて、本人が飲みやすい濃さを探ってください」と言われて、ようやく安定した。

派手な特長があるわけではない。淡々と入れて混ぜると、お茶が少しとろっとして、むせ込みがなくなる。それだけ。でも、地味に効くと感じる。

合う人:お茶や味噌汁でむせるようになってきた人の家族。在庫を切らせたくないので、200g×6袋のセットは半月くらいの目安で消費していく。1kgのまとめ買い版もある(とろみエール 1kg)。最初は小分けで慣れて、合うとわかったら大袋に切り替えるのが無難だった。

ただ、量を間違えるとサラサラのままだったり、固まりすぎたりするので、最初は栄養士さんに目安量を聞いてから始めるのがいいと思う。

アサヒグループ食品 とろみエール 200g×6袋(UDFとろみ調整食品)

アサヒグループ食品 とろみエール 200g×6袋(UDFとろみ調整食品)

《2年後の自分への備忘録》

  • 飲み物のむせ込みが出始めたら、固形食より先にとろみ剤を試すケースもある

  • 量の目安は栄養士さんから聞くのが早い。自己流は最初の2週間が試行錯誤になる

  • 大袋は使い切れる目処が立ってから。最初は200gの小分けが安心

4ヶ月続けて、わが家で定着した使い分け

ここまで書いた3品+もう1品、計4ヶ月続けてみてわかったこと。

朝はアイソカルの白がゆ1個+お味噌汁(とろみエール入り)。たまに 玉子がゆに切り替えると、味の変化があって本人が嬉しそうにする。

昼は普通の食事を細かく刻んだもの。よく噛める日は普通寄り、疲れている日は区分3寄りに調整。

夜は、その日のむせ込み具合で決める。むせ込みが多い日はホリカフーズの区分4セットを1袋。穏やかな日は刻み食+お味噌汁。

派手さはないけど、地味に回せている。3年目に入ってもこのリズムは崩していない。

最初の頃の自分に伝えたかったのは、「区分1〜4のうちどれが本人に合うか、家族の目だけでは判断しないほうがいい」ということ。ケアマネさんや訪問看護師さん、栄養士さんに一度立ち会ってもらって食事の様子を見てもらうと、見落としていた部分が出てくる。わが家では、それで方針が決まった。

介護食は本人の状態に合わせて段階を変える前提で、最初から長期固定しない。

UDFで失敗しないために、買う前にわたしが確認するようになった4点

最後に、4ヶ月続けてみて、買うときにいつも確認するようになった4点をまとめておく。

1つ目、区分の数字。1〜4の意味を確認する。「うちの母は区分○くらい」とケアマネさん・訪問看護師さんに一度確認しておくと、店頭で迷わない。

2つ目、1食あたりの量。100gと書いてあると思った以上に少ない。1食100gは「副菜と組み合わせる前提」のものが多い。

3つ目、とろみ剤を併用する想定があるか。固形食だけでなく、飲み物のむせ込みも一緒に見ておく。

4つ目、お試しセットの有無。新しい区分・新しい味を試すときは、いきなり大ケースを買わず、1袋入りやお試しセットから入る。1ケース無駄にしたわたしの教訓。

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4ヶ月使ってみて、思っていること

派手な工夫は何もしていない。区分3を1つ、区分4を1つ、とろみ剤を1つ。それを生活のペースに合わせて入れ替えているだけ。

それでも、最初に1ケース無駄にした頃と比べると、母が食事中に咳き込む回数は明らかに減った。本人が「楽になった」と言ってくれる回数も、少しずつ増えた。

道具は変わるかもしれない。母の状態が変われば、また区分を変えるし、別ブランドに乗り換えることもあると思う。だから、ここに書いたことは「今のわが家のスナップショット」。同じ場面に立った人が、最初の1ケース分くらいは無駄にせずに済んだら嬉しい。

❓ よくある質問

ユニバーサルデザインフードは介護保険でレンタルや購入の対象になりますか?

介護食は食品扱いなので、介護保険の対象外です。自費購入になります。レンタルや購入補助の対象になっているのは、車椅子・介護ベッド・手すり・入浴補助具などの福祉用具のほうです。

区分3と区分4のどちらから試すのがいいですか?

一般的には、本人の今の食事の様子をケアマネさんや訪問看護師さんに見てもらってから決めるのが一番早いです。家庭でいきなり判断すると、わたしのように1ケース無駄にすることがあります。「噛めるかどうか」と「飲み込めるかどうか」を別に評価してもらうのがポイントです。

ユニバーサルデザインフードはどこで買うのが普通ですか?

ドラッグストアの介護コーナー、楽天やAmazonなどの通販で買えます。重いまとめ買いをする場合や、種類を比較したい場合は通販のほうが選びやすいと思います。価格は1食あたり300円前後〜が多めです。

とろみ剤は介護食と一緒に使ったほうがいいですか?

飲み物(お茶・味噌汁・ジュース)でむせ込みが出始めている場合は、とろみ剤を併用したほうが本人が楽になります。ただし量の目安は栄養士さんに聞いてから決めるのが安全で、入れすぎると逆に飲み込みにくくなります。

まとめ|次の自分が困らないように残しておく

今回のユニバーサルデザインフード選びで気づいたことを、次の自分が楽できるように残しておく。

  • 区分1〜4の意味は「噛む力」と「飲み込む力」の両方を見て選ぶ

  • いきなり大ケースを買わず、お試しセットや小分けから始める

  • 固形食とセットでとろみ剤も検討する。飲み物のむせ込みは固形食と別問題

  • 介護食は介護保険の対象外。自費前提で家計の中に枠を作る

📚 この記事で参考にした公的情報

※ この記事は在宅介護3年目の家族による実体験ベースの記録です。医療・介護の専門資格は保有していません。介護保険適用の最新情報や個別の判断は、お住まいの地域包括支援センター・ケアマネジャー・主治医にご確認ください。最終更新:2026年5月

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