母の飲み込みが悪くなってきたのは、冬だった

要介護状態になって2年が経っていた。
その時まで、母の食事は普通の食事だった。柔らかくするために煮込み時間を長くしたり、大きさを小さく切ったりはしていたけど、基本的には家族と同じものを食べていた。
訪問看護師が来た時のこと。
「飲み込む力が落ちてきてますね。誤嚥のリスクが出てきた」と言われた。
その直後、栄養士さんが「とろみ剤を用意してください」と追加された。
それまで「とろみ」という概念がなかった。お茶にとろみをつけるなんて、と思った。
でも説明を聞くと、普通の水や茶は喉を通す速度が速すぎて、飲み込み反射が追いつかないらしい。とろみをつけると、液体がゆっくり喉を通るから誤嚥のリスクが下がるという。
ユニバーサルデザインフード(UDF)という選択肢があることを、その時初めて知った。
最初に買ったのは、とろみ剤だけ
ケアマネさんに「何から揃えればいいか」と聞いた。
「まずはとろみ剤から始めましょう。お母さんの状態を見ながら、必要に応じて食事の形状を変えていく」と言われた。
ドラッグストアに行ってみた。とろみ剤がこんなに種類あるのか、と驚いた。
粉タイプ、とろみが強いもの、弱いもの、味が変わるもの、変わらないもの。
最初は安いやつを買った。1000円以下の小さなパック。
使ってみたら、ダマになった。
お茶に混ぜるのに、スプーンでかき混ぜてもダマが残る。母が「なんか変」と言った。
2週間で使い切れず、結局捨てた。
《2年後の自分への備忘録》
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とろみ剤は「溶けやすさ」が重要。安さだけで選ばない
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最初は小さいサイズで試す方が無難
「とろみエール」に切り替えて、ようやく分かったこと
ケアマネさんの紹介で、アサヒグループ食品とろみエールを試した。
200gの小分けパック。6袋セットで5280円。
最初の違いは、溶け方だった。
スプーンで軽く混ぜるだけで、ダマなく溶ける。お茶の色も変わらない。味も変わらない。
母が「あ、これなら大丈夫」と言った。
それから毎日、朝昼晩のお茶と、味噌汁にもとろみをつけた。
1袋200gで、どのくらい持つのか最初は分からなかった。毎日使ってみたら、1袋で10日くらい。6袋セットなら2ヶ月以上持つ。
楽天の口コミを見たら、レビュー数43件で評価4.88。「ダマにならない」「味が変わらない」という意見が多かった。
実際に使ってみて、その通りだと思った。
アサヒグループ食品とろみエール 200g×6袋
《2年後の自分への備忘録》
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とろみ剤は「溶けやすさ」で選ぶ。ダマになるとストレス
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小分けパックは保存しやすく、使い切りやすい
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毎日使うものなので、評価の高いものを選ぶ価値がある
食事の形状を変える必要が出てきた
3ヶ月経った頃、ケアマネさんが「そろそろ、主食の形状も工夫した方がいいかも」と言った。
「お母さんの飲み込みの様子を見ていると、おかゆくらいの柔らかさがあった方が安全だと思う」と。
それまでは、普通のご飯を柔らかく炊いていた。でも「柔らかく炊く」と「飲み込みやすい形状」は別の問題だということを、その時初めて理解した。
ユニバーサルデザインフードの「区分」という概念も教えてもらった。
区分1「容易にかめる」、区分2「歯ぐきでつぶせる」、区分3「舌でつぶせる」、区分4「かまなくてよい」。
母の場合は、区分3か区分4の食事が安全だということだった。
最初に試したのは、ネスレアイソカル高カロリーのやわらかいごはん白がゆ。
100gのカップ入りで、12個セット。3756円。
レビュー数118件、評価4.51。
開けてみると、おかゆがカップに入っていた。
温めるか、そのままか選べる。わたしは温めることにした。
電子レンジで30秒。
母が一口食べた。
「あ、これならいける」と言った。
それまで、毎日おかゆを自分で作っていた。朝、米を計って、水を計って、炊飯器で炊く。
それが、カップを開けるだけで済むようになった。
仕事から帰ってきて、すぐに食べさせられる。
朝も、カップを温めるだけ。
時間が浮いた。
ネスレアイソカル高カロリーのやわらかいごはん白がゆ 100g×12個
《2年後の自分への備忘録》
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ユニバーサルデザインフードは、単なる「柔らかい食事」ではなく、飲み込みやすさまで設計されている
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レトルト食品は時間短縮になる。仕事と介護の両立には必須
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栄養価も計算されているので、自分で作るより栄養バランスが良い場合もある
副菜も、レトルトに切り替えた
毎日おかゆだけでは、さすがに飽きると思った。
ケアマネさんに「副菜も用意できますか」と聞いたら、「ホリカフーズのミキサー食がいいですよ」と勧められた。
ホリカフーズおいしくミキサー初めてセットを試した。
初回限定セットで、3食分。1900円。
レビュー数105件、評価4.56。
セット内容は、Aセット・Bセット・Cセットから選べる。
Aセット:白がゆ、照焼チキン、だし巻卵、洋梨
Bセット:玉子がゆ、豚肉のやわらか煮、いんげんのごま和え、ぶどう
Cセット:鶏だしがゆ、牛肉の甘辛煮、里芋の煮ころがし、みかん
わたしはBセットを選んだ。
到着したのは、小さなパウチが入った箱。
常温で保存できる。冷蔵庫の場所を取らない。
使い方は簡単。パウチを温めるか、そのままか。
母に食べさせてみた。
「これ、何ですか」と聞かれた。
「豚肉の煮込み」と答えた。
ペースト状だけど、豚肉の味がちゃんと残っていた。
いんげんのごま和えも、いんげんとごまの香りがする。
毎日おかゆと同じものでは退屈だろうと思っていたけど、これなら飽きない。
楽天の口コミを見たら、「見た目は分かりづらいけど、素材の味がちゃんとしている」という意見が多かった。
実際、そう思った。
ホリカフーズおいしくミキサー初めてセット(Bセット)
《2年後の自分への備忘録》
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ミキサー食は「見た目は分かりづらい」けど「素材の味が残っている」ことが重要
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パウチ型は常温保存でき、冷蔵庫のスペースが限られている家庭に向いている
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初回限定セットで試してから、定期購入を検討するのが無難
介護食への切り替えで気づいたこと
3ヶ月使ってみて、母の様子が変わった。
むせることが減った。
食事の時間が短くなった。
それまでは、食べるのに時間がかかっていた。飲み込むたびに、一呼吸置いていた。
でも、ユニバーサルデザインフードに切り替えてから、その一呼吸が必要なくなった。
ケアマネさんに「良くなってますね」と言われた。
それと同時に、わたし自身の負担も減った。
毎日おかゆを作る手間がなくなった。
副菜を考える手間がなくなった。
仕事から帰ってきて、カップを温めるだけ。
朝も、カップを温めるだけ。
時間が浮いた分、他のことができた。
母の入浴の準備とか、洗濯とか。
そういう時間に充てられた。
介護食は、本人の食べやすさだけじゃなく、介護者の負担も減らす。
それに気づいたのは、実際に使ってからだった。
《2年後の自分への備忘録》
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ユニバーサルデザインフードは、本人の安全性と介護者の時間短縮の両立ができる
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毎日使うものなので、コスト面も長期的に見ることが大切
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「介護食=つまらない」ではなく、素材の味が残っているものを選ぶ価値がある
今、思うこと
あの時、「とろみ」という概念を知らなかった。
ユニバーサルデザインフードという選択肢があることも知らなかった。
ケアマネさんがいなかったら、多分今も普通の食事をさせようとしていたと思う。
そして、母はもっと危険な状態にいたかもしれない。
今は、毎日同じレトルト食を食べている。
派手さはない。
でも、母は安全に食べられて、わたしも時間が浮いて。
そういう地味な効果が、3年目の介護で一番大事だと気づいた。
まとめ|飲み込みの変化に気づいたら、ユニバーサルデザインフードを検討する
母の飲み込みが悪くなって、介護食に切り替えた3年目の話。
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とろみ剤は「溶けやすさ」で選ぶ。ダマになると毎日のストレスになる。アサヒグループ食品のとろみエールは、溶けやすく、味も変わらず、評価も高い。
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ユニバーサルデザインフードの区分を理解する。「柔らかい」と「飲み込みやすい」は別。ケアマネさんや栄養士さんに相談して、本人に合った区分を選ぶことが安全につながる。
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レトルト食は時間短縮になる。毎日おかゆを作る手間が消えると、他の介護タスクに時間を充てられる。仕事と介護の両立には必須。
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素材の味が残っているものを選ぶ。ホリカフーズのミキサー食は、見た目は分かりづらいけど、豚肉の味、ごまの香りが残っている。本人が「食べている」という実感を持てることが大事。



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