夜中の2時、母がいなくなった
夜中の2時。ふと目が覚めて、母の部屋を見に行った。
ベッドが空だった。
玄関を確認したら、母の靴がない。鍵がない。スマホを握りしめたまま、わたしは外に飛び出した。
母は要介護3で、脳梗塞の後遺症と軽度認知症がある。日常会話はできるが、時々混乱する。最近また物忘れがひどくなってきた。
それでも、まさか夜中に一人で外出するとは思っていなかった。
この記事は、その夜からわたしが試した徘徊対策3つと、実際に効果があったものを書く。同じように認知症の家族を看ている人へ。
📖 この記事でわかること
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鍵の管理だけでは徘徊は防げなかった
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わたしが試した対策: 玄関センサー・名前シール・AirTag
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結果的に複数の対策を組み合わせることで、わたしの夜の不安が軽くなった
鍵を隠しても、母は出ていった

最初にやったのは「鍵を隠す」こと。
母の目につく場所に鍵を置かないようにした。玄関の鍵置き場から、わたしの部屋の引き出しに移した。
でも3日後、また母はいなくなった。
どうやって出たのか聞いたら、「鍵を探して見つけた」と言った。わたしの部屋に入って、引き出しを開けたらしい。
鍵を隠す場所を変えても、母は探す。認知症でも、外出したい気持ちは消えない。
その時、わたしはやり方を変えないとダメだと思った。
ケアマネに相談したら「複数の対策を組み合わせる」と言われた

ケアマネジャーに相談した。
「鍵だけで防ごうとすると、本人も家族もしんどくなります。外に出ること自体を止めるんじゃなくて、出た時にすぐ気づける仕組みを作りましょう」と言われた。
つまり、外出を完全に封じ込めるのではなく、外出した時点でわたしが気づけるようにする。そして、万が一見失っても居場所が分かるようにする。
その考え方が、わたしにはしっくりきた。
ケアマネが教えてくれた対策は3つ。玄関センサー・持ち物への名前シール・GPS端末。
対策1: 玄関にセンサーをつけた

まず導入したのは、玄関ドアに取り付ける人感センサー。
ドアが開くとスマホに通知が来る。夜中でも、わたしが寝ていても、音で起きられる。
介護保険対象の「徘徊感知機器」もあるが、ケアマネ経由でレンタルするには手続きが必要で時間がかかる。
わたしはすぐに欲しかったので、Amazonで買えるタイプを選んだ。2,000円前後で、工事不要。
取り付けたその夜から、安心感が違った。
母が玄関を開けたら、わたしのスマホが鳴る。実際に何度か夜中に通知が来て、すぐに追いかけることができた。
ただし、センサーは「出た後」に気づく仕組み。出る前に止めることはできない。だから、次の対策が必要だった。
対策2: 服と靴に名前シールを貼った
もし母が一人で外を歩いていて、誰かが保護してくれたとき、連絡先が分かるようにしたかった。
認知症の人の徘徊対策として、持ち物に名前と連絡先を書いておくのは基本だとケアマネに教わった。
わたしが使ったのは、アイロンで貼れる布用のお名前シール。介護施設への入所準備用として売られているもので、洗濯しても剥がれにくい。
母が普段着る服の襟元・靴の中敷きの裏に貼った。「○○(母の名前) 090-XXXX-XXXX」という形で。
これで、もし誰かが母を保護してくれたとき、わたしに連絡が来る可能性が上がった。
実際にこのシールのおかげで助かったことはまだないが、「もしも」の時の備えとして、わたしの精神的な安心材料になっている。
対策3: 靴にAirTagを仕込んだ
最後に導入したのが、GPS追跡。
母がどこにいるか、スマホで位置情報を確認できる仕組み。
最初は専用のGPS端末を検討したが、月額料金がかかるものが多く、母が持ち歩いてくれるか不安だった。
ケアマネに相談したら、「靴の中にAirTagを入れられるインソールがある」と教わった。
AirTag本体は別途Appleで購入する必要があるが、一度買えば月額料金は不要。iPhoneの「探す」アプリで位置を確認できる。
母の靴の中敷きと一体化しているので、母が気づいて外してしまうこともない。
実際に1回、母が一人で出かけて30分ほど見失ったとき、このAirTagで位置を確認して、近所の公園で見つけた。
あの時は、スマホで母の位置が分かったことで、わたしのパニックが落ち着いた。
費用・介護保険適用の有無
ここまでの対策にかかった費用をまとめる。
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玄関センサー: 2,000円前後(自費・介護保険外)
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お名前シール30枚: 1,650円(自費・介護保険外)
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AirTag対応インソール: 2,380円(自費・介護保険外)
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AirTag本体: 4,780円(Apple公式・自費)
合計で約1万円。
介護保険の「徘徊感知機器」を使えばレンタル料の自己負担だけで済むが、ケアマネ経由の手続きや機器の選定に時間がかかる。わたしは「今すぐ対策したい」と思ったので、自費で揃えた。
ケアマネに相談すれば、保険適用の選択肢も教えてもらえる。急いでいないなら、そちらを検討するのもいい。
同じ立場の介護者へ

認知症の徘徊対策は、「鍵を隠す」だけでは足りなかった。
わたしが学んだのは、複数の対策を組み合わせること。
玄関センサーで「出たことに気づく」。名前シールで「保護されたときに連絡が来る」。AirTagで「居場所を確認する」。
この3つを揃えて、やっとわたしは夜に少し眠れるようになった。
もし同じように悩んでいる人がいたら、まずケアマネに相談してほしい。保険適用の機器もあるし、自費で揃える選択肢もある。
無理しないで、頼れるものは全部頼っていい。
わたしも、まだ試行錯誤中。母の状態は変わるし、対策も変わる。
でも、何もしないよりは、ずっといい。
❓ よくある質問
AirTagは介護保険で使えますか?
AirTag本体は介護保険対象外です。自費で購入する必要があります。ただし、介護保険の「徘徊感知機器」としてGPS端末をレンタルできる場合があるので、ケアマネに相談してください。
名前シールは洗濯しても大丈夫ですか?
わたしが使った布用のアイロンシールは、洗濯機で洗っても剥がれませんでした。ただし、乾燥機の高温には注意が必要です。手洗いか、乾燥機なしで干すのが安全です。
玄関センサーは工事が必要ですか?
工事不要のタイプを選びました。ドアに両面テープで貼るだけです。賃貸マンションでも使えます。ただし、粘着力が弱まったら貼り直す必要があります。
AirTagの位置情報はどれくらい正確ですか?
周囲にiPhoneを持った人がいる場所なら、かなり正確に位置が分かります。人通りの少ない場所だと更新が遅れることがあります。完璧ではないですが、わたしは十分役立っています。
認知症の徘徊対策で一番効果があったのは?
わたしの場合は、玄関センサーです。外出した瞬間に気づけるので、すぐに追いかけられます。ただし、これだけでは不安なので、名前シールとAirTagを組み合わせています。
まとめ|複数の対策で、わたしの夜が少し楽になった
認知症の母が夜中に外出した日から、わたしは徘徊対策を始めた。
鍵を隠すだけでは足りず、ケアマネに相談して3つの対策を導入した。
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玄関センサーで外出をすぐに検知
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名前シールで保護時の連絡先を明示
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AirTagで居場所を確認
これらを組み合わせたことで、わたしの夜の不安が軽くなった。
同じように悩んでいる人は、まずケアマネに相談してほしい。保険適用の選択肢もある。
無理しないで、頼れるものは全部頼っていい。



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