母の歩行が不安定になって|杖から歩行器へ、3年目の選び直し

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母の足の力が落ちてきたのは冬だった

疲れてベンチに座る老人に声をかける女性介護者

脳梗塞から3年。
最初の2年は松葉杖で何とか歩けていた。
でも冬が来た時点で、ケアマネさんから「そろそろ杖だけでは難しくなるかもしれない」と言われた。

それまでは「杖でいいでしょ」と思っていた。
でも実際に母が歩くのを見ると、片手で杖をつきながら、もう片方の手で壁をつかんでいた。
体がぐらついている。
ひやっとすることが増えた。

この記事は、杖から歩行器への切り替えを迷った3年目の話。
どの商品を試して、最終的に何に落ち着いたか。
同じように「杖でいいのか、歩行器が必要か」と迷っている人に向けて書く。

歩行補助具は「本人ができることを奪わない」ことと「安全」のバランスが難しい

📖 この記事でわかること

  • 松葉杖は両手を使うため、バランスが取りにくい人には向かない

  • 折りたたみ杖は軽いが、体重を預けるには不十分な場合がある

  • 多機能歩行器は介護保険レンタル対象で、月数百円から使える

  • 選ぶときはケアマネさんや理学療法士に相談するのが失敗を防ぐ

松葉杖を使い始めたきっかけ

脳梗塞の直後、病院から「松葉杖で退院」と言われた。
両手で体を支える形だから、安定するだろうと思った。

でも実際に家で使ってみると、廊下が狭い。
マンションの玄関も狭い。
松葉杖は両手がふさがるので、壁につかまることもできない。
階段を下りるときは、杖を片手に持ち替えて、もう片方の手で手すりをつかまないといけなかった。

母は「これは怖い」と何度も言った。

マツヨシアルミ製軽量松葉杖 2本1組(Sサイズ・Mサイズ)

マツヨシアルミ製軽量松葉杖 2本1組(Sサイズ・Mサイズ)

《2年後の自分への備忘録》

  • 松葉杖は両手がふさがるため、廊下が狭い家では使いにくい

  • 階段では片手に持ち替えないといけない

  • 高さ調整がしやすいのは◎(退院直後は体が不安定だから)

  • 価格は¥5,980(2本セット)で自費購入

折りたたみ杖に切り替えた2年目

1年目の途中で、「もう片手杖でいいか」と思い始めた。
母の体が少し安定してきたから。

そこで買ったのが折りたたみ杖。
コンパクトで、持ち運びやすい。
軽い。

でも。

これは介護保険の対象外
自費で買う必要がある。
¥3,750だった。

自立式折りたたみ杖ライト・ブザー付(高さ76〜87cm)

自立式折りたたみ杖ライト・ブザー付(高さ76〜87cm)

使ってみると、確かに軽い。
でも母は「これで体を支えるのは怖い」と言った。

杖の先端が細いから、床との接地面が小さい。
体重を預けると、ぐらぐらする。
実際、玄関で転びかけた。

後で知ったのだが、この折りたたみ杖は「自分で歩ける人が、念のために持つもの」らしい。
体重を預けて歩く人向けではない。

《2年後の自分への備忘録》

  • 折りたたみ杖は自立歩行できる人向け

  • 体重を預ける必要がある人には不向き

  • LEDライト・ブザー機能は夜間の外出時に便利

  • 価格は¥3,750(自費)で、介護保険対象外

歩行器を検討し始めた理由

冬になって、母の歩く速度が明らかに遅くなった。
足を引きずる感じになった。
バランスも悪い。

ケアマネさんに「そろそろ歩行器を検討してもいいかも」と言われた。

でも心配だった。

「歩行器を使うと、本人ができることまで奪うんじゃないか」

そう思っていた。

ケアマネさんは「いや、今のままだと転倒のリスクが高い。安全が第一」と言った。
理学療法士さんも「体重を支える必要がある状態なら、歩行器の方が安全です」と。

わたしは納得した。
本人ができることを奪うのは良くない。
でも転ぶのはもっと悪い。

多機能歩行器に決めた話

いろいろ調べて、RAKU の多機能歩行器を選んだ。

理由は3つ。

1つ目は、介護保険レンタル対象だということ。
月数百円で使える。
買うより安い。
状態が変わったら返すこともできる。

2つ目は、固定式と交互式の両方が選べること。
最初は固定式で安定性を重視。
母の体が慣れてきたら、交互式に切り替えることもできる。

3つ目は、座席が付いていること。
疲れたら座れる。
外出時に休憩できるのは大きい。

RAKU 歩行器固定式・交互式 2way式シャワーチェア座席付き(高さ74〜92cm)

RAKU 歩行器固定式・交互式 2way式シャワーチェア座席付き(高さ74〜92cm)

ケアマネさんに相談したら「これなら介護保険レンタル対象ですね」と言ってくれた。
福祉用具専門相談員さんが配送・設置・調整までやってくれた。

わたしは何もしなくていい。
ありがたかった。

《2年後の自分への備忘録》

  • 多機能歩行器は介護保険レンタル対象(月数百円の自己負担)

  • 固定式・交互式を切り替えられるのが◎

  • 座席付きで外出時の休憩に便利

  • ケアマネさんに相談すると、福祉用具専門相談員が対応してくれる

使ってみて2週間

初日は母が「これ、重い」と言った。
確かに歩行器は杖より重い。

でも2日目には「安定する」と言い始めた。

1週間後には、玄関から外に出られるようになった。
杖では怖くて出られなかった。

2週間後、母は「これなら買い物に行ける」と言った。

わたしはほっとした。

転倒のリスクが減った。
本人も「安全だ」と感じている。
これ以上は何もいらない。

《2年後の自分への備忘録》

  • 最初は「重い」と感じるが、1週間で慣れる

  • 安定感が大きく変わる

  • 外出の活動範囲が広がる

  • 本人の気持ちが前向きになる

介護保険レンタルと購入の選択肢

ここで大事な話。

歩行器は介護保険の対象品目。
レンタルと購入の両方が選べる。

レンタル(福祉用具貸与)

  • 月数百円の自己負担

  • 壊れたら交換してくれる

  • 状態が変わったら返却できる

  • 保管場所の問題がない

購入(特定福祉用具販売)

  • 上限10万円まで、自己負担は1〜3割

  • 自分のものになる

  • メンテナンスは自己負担

  • 数年使う予定なら安いかもしれない

わたしの場合は、母の状態がまだ変わる可能性があるから、レンタルにした。
正解だったと思う。

選ぶときに気をつけたこと

1つ目は、高さ調整
母は身長が160cm弱。
歩行器の高さが合わないと、腰が曲がったり、肩が上がったりする。
調整機能が多いほうが安心。

2つ目は、安定性
脚部が広いほうが倒れにくい。
レビューで「ぐらぐらしない」と書かれているものを選んだ。

3つ目は、本人の気持ち
「これなら使いたい」と思えるか。
見た目も大事。
ケアマネさんと福祉用具専門相談員さんに相談して、複数の選択肢を見せてもらった。

《2年後の自分への備忘録》

  • 高さ調整機能が多いほうが良い

  • 脚部の幅が広い=安定性が高い

  • レビューで「使い心地」を確認する

  • 本人が「使いたい」と思える見た目も重要

3年目で気づいたこと

介護用品選びは、「本人ができることを奪わない」と「安全」のバランスが難しい。

最初のわたしは「杖でいい」と思っていた。
でも実際には、母の体が変わっていた。

杖では支えきれない状態になっていた。

それに気づかずにいたら、転倒事故が起きていたかもしれない。

ケアマネさんや理学療法士さんに相談するのは「本人ができることを奪う」ことではなく、「今の状態に合った安全な選択肢を提案してもらう」ことだと気づいた。

歩行器を使うことで、母は逆に外出の活動範囲が広がった。
「本人ができることを奪う」どころか、できることが増えた。

歩行補助具を選ぶときの流れ

参考までに、わたしがやった流れ。

  1. ケアマネさんに「歩行が不安定になった」と相談
  2. 理学療法士さんが訪問して、本人の状態を評価
  3. 福祉用具専門相談員さんが複数の選択肢を提案
  4. 試用期間を設けて、本人が試す
  5. 納得したらレンタル開始

このプロセスが大事。
自分で勝手に買うと、合わない可能性が高い。

《2年後の自分への備忘録》

  • ケアマネさんへの相談が最初のステップ

  • 福祉用具専門相談員さんは無料で相談に乗ってくれる

  • 試用期間があると、本人の納得度が高い

  • 購入より、まずレンタルを検討する

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今の状態

歩行器を使い始めて2週間。
母は毎日、玄関の前まで歩いている。
天気がいい日は外に出ている。

わたしの心配も減った。
転倒のリスクが下がったから。

仕事も少し集中できるようになった。
「母が転んだらどうしよう」という不安が減ったから。

杖から歩行器へ。
小さな選択肢の変更だけど、わたしたちの生活が大きく変わった。

まとめ|歩行補助具は「今の状態」に合わせて選ぶ

在宅介護3年目で、杖から歩行器に切り替えた。

松葉杖は両手がふさがるため、廊下が狭い家では使いにくい。折りたたみ杖は軽いが、体重を預ける必要がある人には向かない。その経験から、多機能歩行器を選んだ。

歩行器は介護保険レンタル対象で、月数百円で使える。固定式と交互式を切り替えられ、座席も付いている。何より、本人が「安全だ」と感じて、活動範囲が広がった。

選ぶときは、ケアマネさんや福祉用具専門相談員さんに相談するのが失敗を防ぐ。自分で勝手に買うより、専門家の目で「今の状態に合った選択肢」を提案してもらう方が、本人の納得度も高い。

歩行補助具選びは「本人ができることを奪う」ことではなく、「安全を確保しながら、できることを増やす」こと。その視点で選ぶと、良い選択ができる。

ほたる @hotaru_kaigo

在宅介護ブロガー(40代・経理職)

母の在宅介護3年目。介護の専門資格は持っていません。わたしと家族が使ってきた道具のリアルな感想を書きます。道具選びで迷う同世代に向けて。

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ほたる @hotaru_kaigo

在宅介護3年目の40代。母の介護で試してきた道具の本音を淡々と書いています。ひとりで抱え込まないでください。

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