母の廊下の歩き方が、ある日変わった

冬の朝だった。
母がトイレから出てきた時、壁に手を這わせるように歩いていた。
脳梗塞から3年。歩けてはいたが、以前より不安定になっていた。
室内用手すりを検討し始めたのは、その時から。最初は「突っ張り式なら工事不要で楽」と思った。実際に買った。でも失敗した。
この記事は、最初に買った手すりが揺れて使えなかった話と、選び直す時にケアマネと一緒に確認したことを記録したもの。
手すりは「壁の強度」と「母の動線」を先に見ないと失敗する
📖 この記事でわかること
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突っ張り式は賃貸OK・工事不要だが、壁が石膏ボードだと揺れる
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壁付け式は安定するが下地(柱・間柱)の位置確認が必須
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母の動線を1週間観察してから設置場所を決めると無駄がない
最初に買った突っ張り式が揺れた理由
母の廊下移動が不安定になってから、わたしはネット検索で「室内 手すり 工事不要」と調べた。
賃貸マンションなので壁に穴を開けられない。そこで出てきたのが突っ張り式の手すりだった。
Amazonで3,000円くらいのものを選んだ。翌日届いた。設置は簡単で、廊下の壁に突っ張らせるだけ。
でも1日使って気づいた。手すりを掴んだ時にぐらっと揺れる。
ケアマネさんに連絡したら「壁の下地が石膏ボードだけだと、突っ張り式は体重を預けた時に壁ごと撓むことがあります」と言われた。
要は、壁の強度が足りなかった。
突っ張り式が悪いのではなく、うちの壁との相性が悪かった。
この時、手すり選びは「道具の良し悪し」ではなく「取り付け場所の壁の構造」が決め手だと気づいた。
《2年後の自分への備忘録》
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突っ張り式は工事不要だが、壁の下地が弱いと揺れる
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石膏ボードのみの壁には向かない
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ケアマネに「壁の強度」を相談すると失敗が減る
壁の下地を探してもらう
ケアマネさんが訪問看護師と一緒に来た時、壁を叩いて音を確認していた。
「ここは柱が入ってますね。この位置ならビス止めできます」と言われた。
わたしは「下地」という言葉を知らなかった。壁紙の裏に柱や間柱がある場所と、ない場所があるらしい。
訪問看護師は「下地探し」という道具を使っていた。ホームセンターで1,000円くらいで買えると教えてくれた。
下地がある場所に取り付ければ、ビスでしっかり固定できる。揺れない。
賃貸でも、退去時に壁の補修費を支払うつもりなら壁付け式が選択肢に入る。
わたしは大家さんに相談した。「介護用の手すり設置」と伝えたら、退去時に補修する前提でOKが出た。
《2年後の自分への備忘録》
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下地探しは必須(柱・間柱のある位置を特定する)
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賃貸でも大家に相談すれば設置許可が出ることがある
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ビス止め式は揺れないが、位置を間違えると壁が破損する
母の動線を1週間観察した

手すりを取り付ける前に、ケアマネさんから「お母さんがどこで壁に触るか、1週間見てください」と言われた。
わたしは母の動きをメモした。
朝トイレに行く時は、リビングのドアを出たところで壁に手をつく。
夜寝室に戻る時は、廊下の途中で立ち止まって壁を掴む。
この2箇所が最も頻度が高かった。
見守っていると、母は無意識に壁の「角」や「ドア枠」を掴んでいた。つまり、平らな壁より構造的に強い場所を自然に選んでいた。
この観察結果を元に、手すりの位置を決めた。
観察しなければ、わたしの推測だけで「たぶんここだろう」と取り付けて、母が使わない場所に設置してしまうところだった。
《2年後の自分への備忘録》
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母の動線を1週間観察してから設置場所を決める
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無意識に掴んでいる場所が「本当に必要な場所」
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推測だけで設置すると使われないリスクがある
実際に選んだ手すり 2点
最終的に2箇所に分けて設置した。
リビング出口 → トイレ間(L型手すり)
マツ六 BDE-35BMB 室内用手すりエンド支柱 を使った。
基本情報
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価格:¥18,480(2026-05-16時点)
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材質:木製タイプ(丸棒・天然木)
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介護保険:対象外(購入は自費)
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サイズ:アジャスト付き(高さ調整可能)
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取付:ビス固定式
この商品は、壁とドア枠の角に設置できる支柱タイプ。
L型の配置で、母がドアを出てすぐ掴める位置に取り付けた。
取り付けはケアマネさんが紹介してくれた福祉用具専門相談員に依頼した(有料)。下地の位置を確認してからビスで固定してもらった。
使ってみて2週間:
揺れない。母が体重を預けても安定している。
最初の突っ張り式と比べると、母が安心して手すりを掴んでいるのが分かる。
木製なので握り心地も良いらしい。冬でも冷たくない。
気になった点:
取り付け位置を間違えると修正が大変。最初に下地をしっかり確認する必要がある。
施工を業者に依頼したので、取付費が別途かかった(1.5万円)。
マツ六 室内用手すりエンド支柱 木製タイプ アジャスト付 BDE-35BMB Mブラウン+ブラウン
《2年後の自分への備忘録》
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L型支柱は角・ドア枠の設置に強い
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福祉用具専門相談員に取付を依頼すると失敗しにくい
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木製は冬でも冷たくないので母が掴みやすい
廊下の途中(短い横手すり)
もう1箇所、廊下の途中にも手すりを付けた。
マツ六 LIFELEX 木製室内用手すり シルバー450mm を使った。
基本情報
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価格:¥2,090(2026-05-16時点)
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長さ:450mm
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材質:丸棒(天然木32mm)・ブラケット(亜鉛合金)
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介護保険:対象外(購入は自費)
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耐荷重:80kg
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取付:ビス固定式
この商品は450mmの短い横手すり。廊下の壁に水平に取り付けた。
母が夜寝室に向かう時に、一度立ち止まる場所がある。そこに設置した。
長い手すりではなく短いもので十分だった。
使ってみて:
母は夜トイレに起きる時、この手すりを掴んで体勢を整えている。
450mmは片手で掴むには十分な長さ。長すぎないので廊下の動線を邪魔しない。
気になった点:
短いので、歩きながら掴み続けることはできない。あくまで「立ち止まって体勢を整える場所」専用。
マツ六 LIFELEX 木製室内用手すり シルバー450mm KOH−450S
《2年後の自分への備忘録》
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450mmの短い手すりは「立ち止まる場所」に最適
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母の動線を邪魔しない長さで選ぶ
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1箇所につき2,000円前後で買える
もし突っ張り式を選ぶなら
突っ張り式が全て失敗するわけではない。
壁の強度が十分な場所(コンクリート壁・柱の近く)なら揺れない。
また、最初から「体重は預けない・バランスを取るだけ」と割り切って使うなら、突っ張り式も選択肢になる。
ただし、母のように脳梗塞後で片麻痺がある場合は、体重を預ける前提で選んだ方が安心だった。
ケアマネさんは「突っ張り式を試すなら、必ず本人に実際に掴んでもらって揺れないか確認してから使い始めてください」と言っていた。
《2年後の自分への備忘録》
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突っ張り式が向くのは壁が強い場所・体重を預けない前提
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脳梗塞後の片麻痺があるなら壁付け式の方が安全
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ケアマネ・福祉用具専門相談員への相談が失敗を防ぐ
選び直して半年経った今の感想
母は2本の手すりを毎日使っている。
夜中にトイレに起きる時も、手すりを掴んで移動している。転倒は起きていない。
わたしが最初に失敗したのは、「工事不要」という便利さだけで突っ張り式を選んだこと。
壁の強度・母の動線・体重を預けるかどうかの3点を先に確認してから選べば、失敗は避けられた。
ケアマネさんに相談するまで、わたしは「手すりは手すり」としか思っていなかった。でも実際は、取り付け場所の構造が9割だった。
同じように室内用手すりを検討している人がいたら、まず壁の強度を確認することをおすすめする。
❓ よくある質問
突っ張り式と壁付け式の違いは何ですか?
突っ張り式は工事不要で賃貸でも設置できますが、壁の下地が弱いと揺れることがあります。壁付け式はビスで固定するため安定しますが、下地(柱・間柱)の位置確認が必須です。
賃貸マンションでも壁付け式の手すりを設置できますか?
大家さんに相談して許可を取れば可能です。退去時に壁の補修費を支払う前提で、介護用の手すり設置であることを伝えると許可が出やすい場合があります。
手すりを設置する位置はどうやって決めればいいですか?
本人が普段どこで壁に手をつくか、1週間観察してから決めるのが確実です。推測だけで設置すると使われない場所に付けてしまうリスクがあります。ケアマネや福祉用具専門相談員に相談するのも有効です。
室内用手すりは介護保険でレンタルできますか?
工事不要の手すり(突っ張り式)は介護保険のレンタル対象品目です。ケアマネジャーに相談すると月数百円〜でレンタルできる場合があります。壁付け式(ビス固定)は購入が一般的です。
手すりの取り付けは自分でできますか?
突っ張り式は自分で設置できますが、壁付け式は下地探しとビス固定が必要なため、福祉用具専門相談員や工務店に依頼する方が失敗しにくいです。取付費は1〜2万円程度が目安です。
まとめ|壁の構造を先に見ると失敗が減る
今回の室内用手すり選びで気づいたことを、次の自分が楽できるように残しておく。
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突っ張り式は工事不要だが、壁の強度が弱いと揺れる
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壁付け式は安定するが、下地の位置確認が必須
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母の動線を1週間観察してから設置場所を決めると無駄がない
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ケアマネ・福祉用具専門相談員への相談が失敗を防ぐ
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取り付け位置を間違えると修正が大変なので、最初の確認が肝心



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