母の食事介助で選び直した話|介護用スプーンの曲がるタイプと固いタイプ

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母の食事で、スプーンを握る力が変わってきた

脳梗塞から3年。

母の左手の動きはまだ完全には戻らないけれど、右手で食べ物をつかむ力は少しずつ戻ってきていた。

ただ、右手の握力がまばらになってきた。

握り込む日と、そうでない日がある。

その差が、スプーンの選び方に影響してくるとは、最初は気づかなかった。

食事介助をしているうちに、小さなストレスが積み重なっていた。スプーンが曲がる。スプーンが固い。その両方で困っていた。

母が自分でスプーンを握れる状態になってきたからこそ、スプーンの「形」が問題になってきた

ケアマネジャーに相談してみたら、「握力が戻ってきているなら、スプーンも見直す時期かもしれませんね」と言われた。

そこから、介護用スプーンの買い直しが始まった。

📖 この記事でわかること

  • 曲がるタイプは握力が弱い時に便利だが、握力が戻ると「曲がりすぎて」食べづらくなる

  • 固いタイプ(チタンやステンレス)は安定感があるが、握力が落ちた時期には不向き

  • 本人の握力と手の動きを見ながら、スプーンのタイプを変える必要がある

  • 複数本を揃えて、その日の状態で使い分けるのが現実的

最初に買ったスプーンが合わなくなった理由

2年前に買った曲がるタイプのスプーンがある。

握力が弱かった時期に、ケアマネさんが勧めてくれたやつだ。

スプーンの首の部分が自由に曲げられる。

だから、母が握った角度に合わせて、わたしが食べさせやすい角度に調整できた。

それが、便利だった。

ところが、ここ数ヶ月、様子が変わってきた。

母が自分でスプーンを握って、口に運ぼうとするようになったのだ。

握力が戻ってきたのは嬉しいことなんだけど、曲がるスプーンだと問題が出てくる。

本人が握ると、スプーンの首がぐにゃぐにゃ曲がってしまう。

食べ物がスプーンからこぼれる。

スプーンの角度がおかしくなって、口に入れるまでに時間がかかる。

曲がるタイプは「介助者が調整する」ことを前提に設計されているんだと気づいた。

本人が自分で握る段階になると、むしろ邪魔になる。

《2年後の自分への備忘録》

  • 曲がるスプーンは握力が弱い時期の介助向け

  • 握力が戻ってくると、スプーンの「遊び」が食べづらさになる

  • 本人が自分で握る練習をしている時期には向かない

曲がるタイプを試してみた(斉藤工業のオールステンレス)

とはいえ、毎日が握力が安定しているわけではない。

朝は握力があるけど、夜は疲れて握力が落ちる日もある。

だから、スプーンも複数本揃える必要があると思った。

そこで選んだのが、斉藤工業の「オールステンレスハンドル 2N-3」という大サイズのスプーンだ。

これは曲がるタイプなんだけど、ステンレス製なので耐久性がある。

スポンジハンドルが付いているから、握りやすい。

価格は1250円。

楽天のレビューが35件で平均4.66点。

「握りやすい」「曲げやすい」という評価が多かった。

実際に届いて、触ってみた。

スポンジの握り心地は悪くない。

楕円形で、握ったときに固定しやすい設計になっている。

ステンレスだから、洗いやすい。

サビの心配もない。

ただ、やっぱり曲がる。

母が握ると、首の部分がぐにゃぐにゃになる。

「これは介助者用だな」と、改めて確認した。

介護用スプーン斉藤工業オールステンレスハンドル 2N-3 平形スポンジ付スプーン・フォーク兼用大介護用品

介護用スプーン斉藤工業オールステンレスハンドル 2N-3 平形スポンジ付スプーン・フォーク兼用大介護用品

《2年後の自分への備忘録》

  • ステンレス製は丈夫で洗いやすい

  • スポンジハンドルは握りやすいが、サイズ感は個人差あり

  • 曲がるタイプは「介助者が調整する段階」向け

  • 握力が戻ってきた本人が握るには、固いタイプが必要

握力が戻った母のために、固いタイプを探した

そこで視点を変えた。

本人が自分で握る段階なら、スプーンは「固い」方がいい。

スプーンが曲がらなければ、握った角度がそのまま維持される。

食べ物がこぼれにくい。

口に入れやすい。

固いスプーンの代表は、チタン製のものだ。

チタンは医療用でも使われる素材だから、安全性が高い。

そこで見つけたのが、「SUDチタン摂食指導用スプーン」。

昭和大学歯学部口腔衛生学教室が開発したものらしい。

舌が出やすい人向けの訓練用スプーンなんだけど、うちの母にも使えるかもと思った。

価格は1100円。

レビューは14件で平均4.71点。

「軽い」「使いやすい」という評価が目立つ。

チタン製なので、金属臭やアレルギーの心配もない。

重さは13グラム。

すごく軽い。

母が握っても疲れにくいだろう。

SUDチタン摂食指導用スプーン離乳食スプーン介護用スプーン

SUDチタン摂食指導用スプーン離乳食スプーン介護用スプーン

実際に使ってみると、違いがはっきりした。

チタンスプーンは固い。

曲がらない。

母が握った角度がそのまま保たれる。

食べ物がこぼれない。

スプーンが口に入るまでの動きがスムーズだ。

ただ、値段が1100円とちょっと高め。

それに、これは「摂食指導用」という特殊な設計なので、毎日使いには向かないかもと思った。

《2年後の自分への備忘録》

  • チタン製は軽くて丈夫

  • 固いので握力が戻った人向け

  • 価格は少し高めだが、耐久性を考えると長持ちする

  • 特殊な設計なので、日常使いには向かないかもしれない

サイズ違いで揃えた、小さいスプーン

そこで、もう1本買い足すことにした。

同じ斉藤工業のシリーズで、小さいサイズの「オールステンレスハンドル 18N-4」。

これは丸型で、スポンジハンドルが小さめだ。

価格は1200円。

レビューは11件で平均4.73点。

「握りやすい」「シンプルなデザイン」という評価がある。

サイズは18ミリの丸型スポンジ。

母の手のサイズを考えると、この小さいタイプの方が握りやすいかもしれない。

曲がるタイプなので、握力が落ちた日の介助にも使える。

つまり、3本のスプーンを揃えることになった。

  1. 曲がるタイプ大(2N-3)→ 握力が弱い時の介助用
  2. チタン固いタイプ(SUD)→ 握力が戻った時の本人用
  3. 曲がるタイプ小(18N-4)→ 握力が弱い時の本人用(握りやすいサイズ)

毎日の状態を見ながら、3本を使い分けることにした。

介護用スプーン斉藤工業オールステンレスハンドル 18N-4 丸型18cmスポンジ付スプーン小

介護用スプーン斉藤工業オールステンレスハンドル 18N-4 丸型18cmスポンジ付スプーン小

小さいスプーンを握らせてみると、母の表情が変わった。

「あ、これはいい」と言った。

握りやすいんだろう。

スポンジハンドルのサイズが、ちょうど手に合っているんだと思う。

曲がるタイプだけど、握力がある時は頑張って固く握れば、スプーンも安定する。

握力がない時は、わたしが角度を調整できる。

両方に対応できるスプーンになった。

《2年後の自分への備忘録》

  • サイズは握りやすさに大きく影響する

  • 同じ「曲がるタイプ」でも、サイズが違うと使い心地が変わる

  • 複数サイズを揃えることで、柔軟に対応できる

  • 母の「あ、これはいい」という一言が、選択の正解を教えてくれた

3本のスプーンを1ヶ月使ってみた感想

1ヶ月経った。

3本のスプーンをローテーションで使ってみた感想。

曲がるタイプ大(2N-3)は、やっぱり介助者向けだ。

わたしが角度を調整して、母に食べさせる時には便利。

でも、母が自分で握ろうとすると、スプーンが曲がりすぎて邪魔になる。

チタンスプーン(SUD)は、握力がある朝に活躍する。

固いので、母が自分で握って口に運ぶのがスムーズ。

ただ、毎日使うには値段が高めだし、特殊な設計なので「普通のスプーン」としては使いづらい。

小さいサイズの曲がるタイプ(18N-4)は、実は一番出番が多い。

握力が弱い時も、握力がある時も、両方に対応できる。

サイズが小さいから、母の手に自然と合う。

毎日のメインスプーンは、このサイズになった。

介護用品って、「これ1本で全部対応」という商品はほぼない。

本人の状態が日々変わるから、複数本を揃えて、その時々で使い分けるのが現実的だ。

3本で3650円(税抜き)。

高いと思う人もいるかもしれない。

でも、毎日の食事で使うものだから、1本あたり月1000円ちょっと。

1年使えば、十分元が取れる。

《2年後の自分への備忘録》

  • 曲がるタイプは介助者向け、固いタイプは本人用という使い分けが明確

  • サイズが小さいと、握力の変動に対応しやすい

  • 複数本を揃えることで、毎日の対応が楽になる

  • 1本1000円程度なら、耐久性を考えると妥当な価格

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スプーン選びで気づいたこと、次の自分へ

スプーンなんて、スプーンだと思ってた。

でも、在宅介護3年目に入ると、スプーン1本の選択が毎日の負担を変える。

握力が戻ってきたのは、母の回復の証だ。

その変化に、道具も一緒に変えていく。

それが、在宅介護を続ける上でのコツなんだと気づいた。

ケアマネジャーは「状態が変わったら、また相談してください」と言ってくれる。

最初はそれが何を意味するのか、よく分かってなかった。

今は分かる。

介護用品は、本人の状態に合わせて、何度も買い直すもんなんだ。

1回の購入で完結しない。

その繰り返しが、3年、5年と続いていく。

だから、「失敗しない選択」よりも「失敗したら買い直す勇気」が大事なんだと思う。

まとめ|スプーン1本で、毎日が変わる

母の握力が戻ってきたからこそ、スプーンの選び方も変わった。

  • 握力が弱い時期は「曲がるタイプ」で介助者が調整する

  • 握力が戻った時期は「固いタイプ」で本人が自分で握る

  • サイズの小さいスプーンは、握力の変動に対応しやすい

  • 複数本を揃えて、毎日の状態で使い分けるのが現実的

  • スプーン選びは、本人の状態変化を見つめ直すきっかけになる

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