歩行器と杖の境界線|介護保険で使える道具の選び直し

image 23 移動・歩行

母が杖だけでは不安定になってきたのは、春先のことだった

3年前の脳梗塞以降、母はT字杖を使っていた。

最初は室内だけだったが、最近は玄関から道路に出るときもふらつく。

介護保険で歩行器がレンタルできることは知っていたが、まだ杖で大丈夫だと思っていた。

📖 この記事でわかること

  • 杖と歩行器の違いは「体重を預けられるか」が境界線

  • 歩行器は介護保険レンタル対象(月数百円〜)

  • ケアマネに相談すると、本人の状態に合った選択肢が見える

杖を買い直したきっかけ

頬杖をついてうつ伏せで横たわる女性のポージング

母が使っていたT字杖は、病院の売店で買ったものだった。

高さ調整ができるタイプで、1本2,000円くらい。

でも最近、廊下を歩くときに杖が滑るようになってきた。先端のゴムが擦り減っていた。

ケアマネさんが訪問した時、「歩行が不安定になってきましたね」と指摘された。

そこで、4点杖(底が4本脚になって自立するタイプ)を自費で買い直すことにした。

介護保険の対象外なので、楽天で探した。

LIFEPLANET 4点杖 折りたたみ杖 が目に留まった。

基本情報

  • 価格:¥3,400(2026-05-26時点)

  • 重量:軽量(折りたたみ可能)

  • LEDライト付き(夜間のトイレに便利)

  • 介護保険:対象外(自費購入)

【実際に使ってみた感想】

届いた翌日、母に渡してみた。

4本脚なので手を離しても倒れない。これが想像以上に楽だった。

わたしが食事の準備をしている間、母はこの杖を玄関に立てかけて靴を履く。T字杖だと壁に立てかけてもずり落ちて、毎回拾いに行く必要があった。

LEDライトは、最初はおまけ機能だと思っていた。でも夜中にトイレへ行くとき、廊下の電気をつけなくても足元が見えるので、母が転びそうになる回数が減った。

ただし、折りたたみ機構の留め具が少し固い。母の握力だと開閉に苦労する。結局、折りたたまずに常時広げたまま使っている。

【よかった点・気になった点】

よかった点:

  • 自立式で、手を離しても倒れない(立ち座りの補助に便利)

  • LEDライトで夜間のトイレが安全になった

気になった点:

  • 折りたたみ留め具が固く、母ひとりでは開閉できない

  • 体重を預けて歩くには不安定(あくまで杖であり、歩行器ではない)

【同じ状況の人への一言】

杖の買い替えで迷っているなら、4点杖は選択肢に入る。

ただし、もし「体重を預けないと歩けない」状態なら、ケアマネさんに相談して歩行器のレンタルを検討した方がいい。

杖と歩行器の境界線は、「自分の足で立てるか」「補助が必要か」の違いだと、後から気づいた。

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《2年後の自分への備忘録》

  • 4点杖は自立式で便利だが、あくまで杖(体重を預けるものではない)

  • 夜間のトイレにLEDライトが思った以上に役立つ

  • 折りたたみ機能は高齢者には操作が難しい場合がある

ケアマネに相談して気づいたこと

Senior woman using rollator indoors near doorway, preparing to leave home.

4点杖を使い始めて1週間後、ケアマネさんが訪問した。

「杖を新しくしたんですね」と言われて、LEDライト付きの4点杖を見せた。

「これ、いいですね。でも、お母さん、最近は体重を杖に預けて歩いてませんか?」

言われてみれば、母は杖を斜めに突いて、体重をかけていた。

ケアマネさんが続けた。「杖は体重を預けるものじゃなくて、バランスを取るためのもの。体重を預けたいなら、歩行器のレンタルを検討した方がいいですよ」

その時まで、歩行器は「重症の人が使うもの」だと思い込んでいた。

でも、介護保険を使えば月数百円でレンタルできる。購入すると2万〜5万円するものが、レンタルなら状態が変わったら返却できる。

「歩行器には2種類あって、固定型と交互型があります。固定型は4本脚を全部持ち上げて進むタイプで、交互型は左右を交互に動かして歩くタイプ。お母さんには交互型が合うかもしれません」

ケアマネさんが福祉用具専門相談員を手配してくれることになった。

《2年後の自分への備忘録》

  • 杖は「バランスを取る」もので、体重を預けるものではない

  • 歩行器は介護保険レンタル対象(月数百円〜)

  • 固定型と交互型の2種類があり、本人の状態で選ぶ

歩行器の選び方を福祉用具専門相談員に聞いた話

書棚のあるオフィスで頬杖をつき考え込むスーツ姿のビジネスマン

翌週、福祉用具専門相談員が自宅に来た。

持ってきたのは2台の歩行器。固定型と交互型だった。

固定型は、4本脚を全部持ち上げて前に置いて、その中に体を入れて歩く。安定性は高いが、動作がゆっくりになる。

交互型は、左右のフレームを交互に前に出して歩く。歩くリズムが自然で、母には合っていた。

「まずは2週間、交互型をお試しで使ってみてください。合わなければ固定型に変えられます」

レンタル料は月500円(1割負担)。購入すると3万円近くするものが、この金額で使える。

母は最初、「わたしはまだ杖で大丈夫」と言っていた。

でも玄関から道路に出るときに交互型歩行器を使ってみたら、「これ、楽だわ」と言った。

体重を預けても倒れない安心感が、母の表情を変えた。

《2年後の自分への備忘録》

  • 福祉用具専門相談員が自宅に来て、実物で試せる

  • レンタルなら状態に合わせて変更できる

  • 本人が「楽」と感じることが、使い続ける決め手

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杖と歩行器を使い分けている今

頬杖をついて視線を逸らしながらそっぽを向いて拗ねるポーズをとる女性

結局、歩行器をレンタルすることにした。

室内は4点杖、外出時は交互型歩行器、という使い分けになった。

杖だけで頑張っていた頃より、母の歩く距離が伸びた。

「歩行器は恥ずかしい」と最初は言っていたが、近所の同年代の人も使っているのを見て、抵抗がなくなったらしい。

ケアマネさんに相談しなければ、わたしはずっと「杖で何とかする」と思い込んでいた。

介護保険で使える道具は、使えるうちに使った方がいい。

わたしの腰への負担も、明らかに減った。

《2年後の自分への備忘録》

  • 杖と歩行器は併用できる(場所で使い分け)

  • 本人の「恥ずかしい」は周りを見て変わることがある

  • 介護保険レンタルは、家族の負担軽減にも直結する

❓ よくある質問

歩行器は介護保険でレンタルできますか?

できます。歩行器は福祉用具貸与の対象で、ケアマネジャーに相談すればケアプランに組み込んでもらえます。1割負担なら月数百円からレンタルできます。固定型・交互型・キャスター付きなど種類があるので、福祉用具専門相談員に自宅で実物を試させてもらうのがおすすめです。

杖と歩行器はどう使い分ければいいですか?

杖はバランスを取るためのもので、体重を預けるものではありません。体重を預けないと歩けない場合は、歩行器の方が安全です。わたしの母は、室内は4点杖、外出時は歩行器と使い分けています。どちらが合うかは本人の状態次第なので、ケアマネさんに相談するのが確実です。

4点杖は介護保険でレンタルできますか?

4点杖(多点杖)は2024年4月の改定で、レンタルと購入を選べるようになりました。長期使用なら購入、数ヶ月以内・状態変化が見込まれるならレンタルが安心です。ケアマネさんに相談すると、どちらが適切か判断してもらえます。

歩行器は何円くらいから買えますか?

購入すると固定型で2万円〜、交互型で3万円〜が相場です。でも介護保険レンタルなら1割負担で月500円〜1,000円程度です。状態が変わったら返却して別のタイプに変更できるので、レンタルの方が柔軟に対応できます。

まとめ|歩行器と杖の境界線

今回の歩行器検討で気づいたことを、次の自分が楽できるように残しておく。

  • 杖は「バランスを取る」道具で、体重を預けるものではない

  • 体重を預けたい状態なら、歩行器のレンタルを検討する

  • 歩行器は介護保険対象(月数百円〜)で、状態に合わせて変更できる

  • ケアマネさんに相談すると、福祉用具専門相談員が自宅に来て実物で試せる

  • 本人が「楽」と感じることが、使い続ける決め手になる

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