母が浴槽に入るとき、わたしが本気で怖かった話

母の足が不自由になってから、浴槽に入る瞬間が一番ひやひやした。
浴室の床は濡れている。浴槽の縁に手を置いても、片足で体を持ち上げる力が母にはもう残っていない。「大丈夫、大丈夫」と言いながら浴槽を跨ぐ母を、わたしは後ろから支えている。でも、わたしが引っ張れる力には限界がある。
ケアマネさんに相談したら「浴槽手すりを試してみては」と言われた。
工事不要で吸盤でつけられるタイプがある、と。
それから3つ試してみて、今は1つだけ残っている。この記事はその話。
📖 この記事でわかること
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わたしが3つ試した浴槽手すり(全て吸盤式)の比較
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結論: 耐荷重30kgのシリコン吸盤タイプが一番安心だった
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安さ重視で買った1つは2週間で吸盤が外れた(ひやひやした)
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設置の前に浴槽の壁の厚みと材質を必ず確認する
浴槽手すりを選ぶとき、最初にわたしが間違えたこと

最初にやったのは「楽天ランキング1位」を買うこと。
1,780円。安い。レビュー件数666件。これなら大丈夫だろう、と思った。
届いたのは吸盤が2つついたハンドル型の手すり。両端にレバーがついていて、上げて吸盤を押し当てて、レバーを下げればロックされる仕組み。
最初の1週間は問題なかった。母も「これがあると楽ね」と言った。
でも8日目の朝、母が浴槽に入ろうとした瞬間、片側の吸盤が外れた。
母の体重がそのまま浴槽の縁に乗った。転倒はしなかったけど、わたしはその音を浴室の外で聞いて、ひやひやした。
わたしが知らなかった「吸盤の耐荷重」という概念
ケアマネさんに連絡したら「耐荷重は何キロだった?」と聞かれた。
商品説明を見直したら、耐荷重の記載がなかった。「強力吸盤」とは書いてあったけど、何キロまで支えられるか、数字がどこにもない。
ケアマネさんが教えてくれたのは「浴室用の手すりなら耐荷重30kgが最低ライン」ということ。
母の体重は45kg。浴槽をまたぐときに手すりにかかる力は、体重の7〜8割くらいになる。つまり30kg以上。
耐荷重が不明な製品を、わたしは母に使わせていた。
3つ目で残ったのは「ratiss(ラティス)」のシリコン吸盤手すり
2つ目は耐荷重30kgの明記があるものを選んだ。価格は1,000円。
こっちはレビューも良かったし、1週間は持った。でも3週間目に浴槽の壁との間に隙間ができているのに気づいた。吸盤が少しずつ緩んでいた。毎日吸盤を押し直すようになった。
3つ目は少し高かったけど、シリコン吸盤のタイプにした。ratiss(ラティス)という名前の製品。価格は1,280円。
吸盤が天然ゴムではなくシリコンゴムで、劣化しにくいと説明に書いてあった。耐荷重は30kg。360°回転できるので、縦でも横でも斜めでも設置できる。
これを2ヶ月使ったけど、一度も外れていない。
母も「これは安心できる」と言った。
比較表で見る3つの違い
わたしが試した3つを並べてみた。
| 項目 | 1つ目(楽天1位) | 2つ目(1,000円) | 3つ目(ratiss) |
|---|---|---|---|
| 価格 | 1,780円 | 1,000円 | 1,280円 |
| 耐荷重 | 不明 | 30kg | 30kg |
| 吸盤素材 | 不明 | 不明 | シリコンゴム |
| レビュー数 | 666件 | 75件 | 63件 |
| 実際の結果 | 8日で片側外れた | 3週間で緩み始めた | 2ヶ月間外れなし |
レビュー件数が多いほうが安心、とわたしは思っていた。でも実際に母の体重を支えられるかどうかは、レビュー数とは関係なかった。
耐荷重の明記と、吸盤の素材が重要だった。
設置するとき、浴槽の壁の厚みも見る
もう1つ、わたしが見落としていたことがある。
浴槽の壁の厚み。
手すりの吸盤は、設置する面が平らでないと吸着しない。浴槽の縁が丸くなっていたり、壁が薄すぎる場合は使えない。
わたしの家の浴槽は、縁の厚みが約3cmで平らだった。だから吸盤式が使えた。
でも母の友人の家では、浴槽の縁が丸みを帯びていて、吸盤が全くつかなかったらしい。
設置する前に、手で触って確認したほうがいい。
入浴介助で腰が限界なら、自費の訪問介護で入浴だけ頼む選択肢もある

浴槽手すりがあっても、母ひとりで入浴するのはまだ難しい。
わたしが浴室にいて、浴槽に入るときと出るときを支える。週に3回の入浴介助で、わたしの腰が限界だった。
ケアマネさんに相談したら、イチロウという介護保険外の訪問介護サービスがあると教えてもらった。
介護保険の枠を使い切っていても、自費で1回2,000円程度から入浴介助だけを頼める。毎回は無理でも、週に1回だけ外注すれば、わたしの負担が少し減る。
今は検討中。
わたしが買い直して学んだ3つのこと
浴槽手すりを3つ試して、わたしが残したのは1つだけ。
最初から正しい選び方を知っていたら、8日目のひやひやした朝はなかった。
わたしが学んだのは3つ。
- 耐荷重30kg以上を選ぶ(不明な製品は避ける)
- 吸盤素材はシリコンゴムのほうが長持ちする
- 設置する前に浴槽の壁の厚みと平らさを確認する
派手さはないけど、地味に効く。母が浴槽に入る瞬間の不安が消えた。
❓ よくある質問
浴槽手すりは介護保険でレンタルできる?
吸盤式の浴槽手すりは「特定福祉用具購入」の対象で、年度内10万円の枠で1〜3割負担で購入できます。ケアマネさんに相談すると手続きを教えてもらえます。
設置できない浴槽の材質はある?
凹凸のあるタイル面や、表面がザラザラしたFRP浴槽には吸盤が吸着しにくいです。壁の厚みが2cm未満の場合も使えないことがあります。
吸盤が外れる前兆はある?
吸盤と壁の間に小さな隙間ができている、押しても戻らない、レバーを下げた時の抵抗が弱くなった、などが前兆です。気づいたら即交換か再設置が必要です。
耐荷重30kgで体重45kgの人が使える理由は?
浴槽をまたぐときに手すりにかかる力は体重の7〜8割程度です。体重45kgでも手すりに30kg以上かかることがあるため、耐荷重30kgが最低ラインと言われています。
吸盤補助シールは必要?
浴槽の壁がツルツルしている場合は不要ですが、少しザラついている場合や吸着力を長期間保ちたい場合は補助シールがあると安心です。ratissは補助シール付きオプションもあります。
まとめ|浴槽手すりは耐荷重とシリコン吸盤で選ぶ
わたしが3つ試して残したのは、ratissのシリコン吸盤手すり。
耐荷重30kg、シリコンゴム素材、2ヶ月間外れなし。
最初に買った楽天ランキング1位は8日で外れた。レビュー数より耐荷重が大事だった。
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耐荷重30kg以上を選ぶ
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吸盤素材はシリコンゴムが長持ち
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設置前に浴槽の壁の厚みを確認する
母が浴槽に入る瞬間のひやひやが、これで消えた。



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