母が風呂で手を滑らせた夜|浴槽手すりを選んだ話

image 7 入浴・清潔

浴槽から出る時に、手を滑らせた

3月の夜、母が入浴中に「ドンッ」という音が聞こえた。

急いで脱衣所に駆けつけたら、母が浴槽の縁に半身を乗せたまま、浴室の床に手をついている姿が見えた。

「立ち上がろうとしたら、手が滑った」と母。幸いケガはなかったけれど、わたしの背中が冷たくなった。

📖 この記事でわかること

  • 浴槽の縁に手すりを付けたことで、母の入浴時の立ち上がりが安定した

  • 工事不要の吸盤式を選び、設置は10分で完了

  • 賃貸マンションで壁に穴を開けられない人に向けた記録

賃貸マンションで、壁に穴は開けられない

わたしが住むマンションは賃貸。

壁に穴を開ける工事は禁止されている。リフォームも当然できない。

母を引き取って在宅介護を始めたとき、ケアマネジャーから「浴室に手すりがあるといいですね」と言われた。でも「工事が必要なら無理です」と答えるしかなかった。

それから3年。母の足の力が徐々に落ちてきた。

浴槽の縁をつかんで立ち上がる動作が、見ていてもあぶなっかしくなってきた。

翌日、ケアマネに相談した

ひとりで外出してしまった老人と心配する介護士

転倒事故の翌日、ケアマネジャーに電話した。

「工事不要で付けられる手すりがあります」と教えてもらった。吸盤式のものだという。

「耐荷重が30kgあるタイプなら、立ち上がりの補助に十分使えます」とのこと。

その場で楽天を検索した。「介護手すり 浴槽 吸盤」で調べると、1,000円〜2,000円前後の商品がいくつか出てきた。

レビュー件数が多いものを3つに絞り、その日のうちに注文した。

入浴介助で腰が限界なら、外注という選択肢もある

母の入浴は、わたしにとっても体力的に限界が近づいていた。

浴室は狭いし、母の体を支えるために中腰になる。週3回の入浴介助のたびに腰が痛む。

ケアマネに相談したら「入浴介助だけ、訪問介護を頼むこともできますよ」と言われた。

介護保険の枠内でヘルパーさんに来てもらえる。でも週3回だと枠が足りなくなる可能性がある。

そんな時、自費の訪問介護サービス「イチロウ」という選択肢もあることを知った。

介護保険の対象外なので1回2,000円〜3,000円の自費負担になるが、柔軟に使える。わたしが仕事で遅くなった日の夕方入浴を、週1回だけ頼むという使い方もできる。

腰が限界になる前に、入浴だけでも外注する。その選択肢を知っておくだけでも、わたしの気持ちは楽になった。

届いた手すりを、浴槽に付けてみた

転倒してバイクのブレーキペダルが曲がってしまう状態

注文から3日で、吸盤式の手すりが届いた。

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取扱説明書によると、設置手順は以下の通り。

  1. 浴槽の縁の汚れ・水分を拭き取る
  2. 手すりの吸盤を押し当てる
  3. 両端のレバーを下げてロックする

実際にやってみたら、10分もかからずに設置できた。

吸盤がしっかり固定されているか、わたしが手で引っ張って確認してみた。びくともしない。

その晩、母に「手すりを付けたから、これを持って立ち上がってみて」と言った。

母は手すりをつかんで、ゆっくりと浴槽から出てきた。「これ、いいわね」と母。

費用は1,280円。介護保険は使えない

今回買った手すりは、楽天で1,280円だった。

吸盤式の手すりは、介護保険の対象外。全額自費になる。

ただし、工事が必要な固定式の手すりは、介護保険の「住宅改修」として1〜3割負担で設置できる場合がある。ケアマネジャーに相談すると、自治体の申請方法を教えてもらえる。

わたしの場合は賃貸で工事ができないので、吸盤式を自費で買うしかなかった。でも1,000円台で母の転倒リスクが減るなら、十分納得できる買い物だった。

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同じ立場の人へ

浴室での転倒は、骨折に直結する。

わたしは母が手を滑らせたあの音を、今でも忘れられない。

賃貸で壁に穴を開けられない人、工事費用をかけたくない人は、吸盤式の手すりという選択肢がある。

設置は10分、費用は1,000円台。

それだけで、入浴時の「手を滑らせたらどうしよう」という不安が、少し軽くなった。

❓ よくある質問

吸盤式の手すりは、本当に外れないのか?

今回買った商品は耐荷重30kg。設置後3ヶ月経つが、一度も外れていない。ただし、吸盤を付ける面が平らで凹凸がないことが前提。タイルの目地や、ざらざらした面には付かない。

浴槽の縁に傷は付かないのか?

吸盤はシリコン素材なので、傷は付きにくい。ただし取り外しの際に無理に引っ張ると、表面に跡が残る可能性がある。外す時は必ずレバーを上げてから外すこと。

介護保険は使えないのか?

吸盤式の手すりは介護保険の対象外。全額自費になる。工事が必要な固定式の手すりは、介護保険の「住宅改修」として1〜3割負担で設置できる場合がある。ケアマネジャーに相談すると、申請方法を教えてもらえる。

吸盤が劣化したらどうする?

吸盤は消耗品なので、半年〜1年で吸着力が落ちる可能性がある。定期的に引っ張って確認し、外れやすくなったら買い替える。1,000円台なので、買い替えのハードルは低い。

まとめ|工事不要で、母の入浴が安全になった

母が浴槽で手を滑らせたあの夜から、わたしは浴槽手すりを探し始めた。

工事不要の吸盤式を選び、設置は10分、費用は1,280円。

それだけで、入浴時の「転倒したらどうしよう」という不安が、少し軽くなった。

  • 賃貸で壁に穴を開けられない人にも設置できる

  • 耐荷重30kgの商品なら立ち上がり補助に十分

  • 吸盤は消耗品なので、定期的に確認と買い替えが必要

  • 入浴介助で腰が限界なら、訪問介護(保険内・保険外)の選択肢もある

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