「入浴補助椅子って介護保険でレンタルできるんですか」とケアマネさんに聞いた朝のこと
母を脱衣所に座らせたまま、自分が湯船で先に温まっているのが申し訳なくなった日があった。
母は要介護3。脳梗塞の後遺症で左半身に麻痺があって、湯船をまたぐのも椅子に座るのもひとりでは怖い。それでも入浴は週に2回、自宅でやることになっていた。デイサービスのお風呂だけだと足りないらしい。
最初は風呂用の小さなプラスチック椅子で済ませていた。座面が低くて、母が立ち上がる時に必ず脇から支えないとひっくり返りそうになった。腰が抜けそうになった日に、ようやくケアマネさんに相談した。
入浴補助椅子は、介護保険の「レンタル」ではなく「購入」の対象になる、というのを、その時はじめて知った。
📖 この記事でわかること
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入浴補助椅子(シャワーチェア)は介護保険の特定福祉用具販売の対象。レンタルではなく購入する形で、自己負担は1〜3割
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年度内(4月〜翌3月)の上限は10万円まで。同じ年度内に複数の入浴用品を買う時は枠を意識する
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「指定事業者」から買わないと保険適用にならない。Amazon・楽天で先に買ってしまうと自費扱いになる場合があるので、ケアマネに相談してから動くのが安全
ケアマネさんに「保険のレンタル品ですか」と聞いて返ってきた答え

ケアマネさんに電話で「入浴補助椅子もレンタルで借りられるんですか」と聞いた。
「いえ、入浴補助用具は購入になるんですよ」と返ってきた。
しばらく頭の中で「?」が浮かんだ。介護ベッドや車椅子はレンタルだった。手すりも工事不要のやつはレンタルだったはず。なのにシャワーチェアは購入。
ケアマネさんが続けて「特定福祉用具販売っていう仕組みなんです。肌に直接触れるものは衛生面でレンタルできないので、買うかわりに購入費の1〜3割の自己負担で済むんですよ」と説明してくれた。
要は、お尻が直接当たる椅子は他人が使った後をレンタルで回せないから、各家庭で買ってください、と。買う費用のうち保険が利く分が戻ってくる、という仕組みだった。
母は1割負担なので、保険対象の対象品なら1万円のものが実質1000円になる、ということになる。
《2年後の自分への備忘録》
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入浴補助用具(シャワーチェア・浴槽手すり・浴槽内椅子・バスボードなど)は介護保険の購入対象。レンタルではない
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自己負担は所得に応じて1〜3割。一般家庭は1割が多い
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年度内(4月〜翌3月)で上限10万円。同じ年度に他の入浴用品も買うなら計画する
指定事業者から買わないと保険が効かないことを後から知った
ケアマネさんに教わって最初に確認したのは、Amazonや楽天の安いシャワーチェアを買って領収書を出せば保険が戻ってくるのか、ということだった。
「都道府県の指定を受けた事業者から買わないと、対象にならないんですよ」とあっさり言われた。
これも知らなかった。市区町村ごとに指定された事業者リストがあって、そこを通して購入しないと保険適用にならない。後から「実は同じ商品でAmazonの方が安かった」と気づいても、指定事業者経由で買っていない場合は全額自費扱いになる。
ただし、購入後の「償還払い」のかわりに、現物給付に近い形で最初から1割負担で買える「受領委任払い」を使える自治体もある。これも自治体次第なので、ケアマネさんか市区町村の高齢福祉課に確認するのが早い。
うちの母の自治体は受領委任払いに対応していたので、ケアマネさん経由で福祉用具専門相談員さんに繋いでもらって、その人が持ってきてくれた商品の中から選んで買う形になった。
《2年後の自分への備忘録》
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介護保険でシャワーチェアを買うには「都道府県指定の事業者」から購入する必要がある
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ネット通販で先に買ってしまうと保険適用外になる場合があるので、ケアマネへの相談が先
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「償還払い」(後から1〜3割を除いた分が戻ってくる)と「受領委任払い」(最初から1〜3割で買える)は自治体による
福祉用具専門相談員さんに来てもらって決めた1脚目
専門相談員さんが3〜4種類のカタログを持ってきてくれた。母の体格と浴室の広さを見て、「最初は背もたれありの座面、座面の高さが調整できるタイプがいいですね」と勧めてくれた。
母は左半身麻痺で、立ち上がる時に右側の手すりに体重をかける。座面が低いと立ち上がる動作で右手にものすごく負担がかかる。座面が高めに設定できるシャワーチェアの方が、本人も介助のわたしもラクだった。
そこから派生して、「6段階で高さ調整できる、背もたれと肘掛けがついているタイプ」を1脚買った。母の身長と立ち上がりやすさで結局37cmから51cmの間で何度か微調整して、今は45cmくらいに落ち着いている。
シャワーチェア 6段階高さ調節 軽量設計 介護用品(三ツ合通商) は専門相談員さん経由で買った1脚目とほぼ同じ仕様だった。実物を見たい人はネットで仕様を確認してから保険適用で買う形にすると、後悔が少ないと思う。
基本情報
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価格:¥5,580(2026-05-06時点・自費購入の場合)
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6段階高さ調節(38〜51cm)。座面120kg/背もたれ120kg/背もたれ+肘掛け135kg耐荷重
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素材はPE材+アルミで錆びにくい。滑り止めゴム付き
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介護保険:入浴補助用具として購入対象(指定事業者経由で1〜3割負担)
母にとって座面の高さが合うかどうかが一番大事だった。背もたれもあって安心感は段違いだったけど、当初は「肘掛けが邪魔で出入りしづらい」と本人が言っていた。1週間使ってもらってから「やっぱりこれの方が立ちやすい」と言い直してくれた。
肘掛けがあると介助者のわたしが体を支える時にも掴まれるところができる。母が座っている間にシャワーで温める時も、本人が肘掛けに手を置いているとふらつかない。
よかった点:
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6段階の高さ調節がボタン式で工具なしで変えられる。母の状態に合わせてその場で微調整できた
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滑り止めゴムが脚にしっかりついていて、濡れた浴室でも横滑りしなかった
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軽量で、掃除のため浴室の外に出すのも片手でできた
気になった点:
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背もたれと肘掛けの分、収納時にかさばる。3畳の浴室だと存在感がある
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組み立ては工具不要だけどネジ留めの数が多くて、最初の組み立てで30分かかった
肌が直接触れる椅子なので、衛生面で家族専用にしておきたい人にも保険購入の仕組みは理にかなってると思う。レンタル品の使い回しに抵抗がある家庭にも向いている。
シャワーチェア 介護用品 風呂椅子 6段階高さ調節 軽量設計(三ツ合通商)
《2年後の自分への備忘録》
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立ち上がりがしんどい人は座面の高さ調整ができるタイプを優先。低い椅子は介助者の腰に来る
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背もたれと肘掛けは「邪魔そう」に見えても、麻痺がある側の支えになる
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組み立ては工具なしと書いてあっても初回30分は見ておく
自費で買い足した2脚目(介助者用=わたし用)の話
最初の1脚は母用に介護保険で買ったので、購入枠(年度10万円)の一部を使った。
ところが介助していると、わたしも母を支えるために腰を下ろせる場所が要ることに気づいた。母の体を洗っている時、こちらが立ったままだと膝と腰が持たない。
そこで、座面だけのシンプルなシャワーチェアを自分用にもう1脚、ふつうにネットで自費で買った。
介護保険で買えるのは「要介護認定を受けた本人が使う」ための福祉用具。介助者用は対象外。
これは聞かなくてもなんとなく察したけど、専門相談員さんにも確認した。「ご家族用は対象外なんですよ」と言われた。
立ち上がりやすい シャワーチェア 耐荷重130kg 高さ調節(雑貨の国のアリス) はそういう経緯で見つけた。座面のみで1.9kgとかなり軽くて、片手で持って浴室の外に出せる。
基本情報
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価格:¥3,444(2026-05-06時点)
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座面のみタイプは横幅51cm×奥行36.5cm、高さ40.5〜53cmで伸縮式
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耐荷重130kg、軽量1.9kg。レビュー6件・評価4.67
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介護保険:本人が使う場合は購入対象。介助者用は対象外(自費)
価格が3000円台なので、ダメだったら勉強代と割り切れる。実際は2年経ってもヘタっていない。母の介護で腰が抜けかけたわたしが、しゃがまずに済むようになっただけでも価値はあった。
ただし、これは自分が買った当時の話で、もし「本人用」と「介助者用」を混同して両方とも保険で買おうとすると専門相談員さんから止められる。介助者用と本人用は別の出費になる、という前提で予算を組む。
失敗談ひとつ。 3年目に近所のドラッグストアで「保険適用」と書いてあるシャワーチェアを見つけて、これも保険で買えると思って即決しかけた。レジで「指定事業者じゃないので、ここでは保険適用にならないんですよ」と店員さんに止められた。袋に「介護保険対象品」とは書いてあっても、買う場所が指定事業者でないと適用にならない。あの時止めてくれたレジの人にはいまだに感謝している。
よかった点:
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軽量で扱いやすい。介助者用なので頻繁に出し入れする我が家には合った
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価格が安く、自費でも気軽に買える。家族用にもう1脚という用途に向く
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高さ調節範囲が40〜53cmと広め。背の高い家族にも合わせやすい
気になった点:
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背もたれがないので長時間座るとお尻が痛い。介助の合間にちょっと座る用と割り切る
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6段階のクリック感はないので、目盛りで合わせる必要がある
シャワーチェア 立ち上がりやすい 高さ調節 入浴補助椅子(雑貨の国のアリス)
《2年後の自分への備忘録》
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介護保険対象は「本人が使うもの」。介助者用は自費が前提
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介助者の腰が壊れる前に、低価格でいいから自分の椅子も用意する
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「介護保険対象品」という表示と「保険適用で買える」は別物。買う場所が指定事業者かが分かれ目
年度の購入枠10万円をどう使うか、3年目で考えていること
特定福祉用具販売の年度上限10万円は、4月〜翌3月で計算する。
入浴補助用具だけで使うなら、シャワーチェア・浴槽内椅子・浴槽手すり・バスボードを組み合わせても10万円には届かないことが多い。ただ、ポータブルトイレや排泄関連の用品も同じ枠を使うので、年度内で何を買うかは計画した方がいい。
うちの母の場合は、4月にシャワーチェア、夏に浴槽手すり、秋にポータブルトイレを買って、ちょうど枠の半分くらいを使った。残りは翌年度のシーズンが変わった時の買い替えに残してある。
状態が変わるタイミング(季節・季節の変わり目・退院後)に枠の使用を集中させる方が、結果的に無駄が少ない、というのが3年やって学んだことだった。
ケアマネさんに「今年の枠、あといくら残ってますか」と聞くと、把握してくれている。自分で記録するより、ケアマネさんが管理してくれる仕組みに乗っかる方が早い。
《2年後の自分への備忘録》
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特定福祉用具販売の枠は年度(4月〜翌3月)で10万円。年度をまたぐと枠が新しくなる
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入浴系・排泄系の購入対象品は同じ枠で計算するので、年度の中で計画する
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残額はケアマネさんに聞けば即答してもらえる
母が「お風呂いやだ」と言わなくなった日のこと

シャワーチェアを2脚揃えてから半年くらい経った頃、母が「今日はお風呂入っとくか」と自分から言うようになった。
それまでは「めんどくさい」「寒い」と毎回ぐずっていた。立ち上がりが怖くて入りたくなかったらしい、というのを後から聞いた。座面が高くて立ち上がりやすい椅子に変わってから、本人の不安が一段下がったのかもしれない。
道具で全部解決するわけではないけれど、母の入浴拒否が減ったのは確実に椅子のおかげだったと思う。
ケアマネさんが「保険を使って買える物は使った方がいいですよ。1割なら気軽に試せるから」と言ってくれていたのは正しかった。最初の1脚を自費でもいいから早く揃えていれば、母の入浴拒否の半年は短くなっていた気もする。
❓ よくある質問
入浴補助椅子は介護保険でレンタルできますか?
いいえ、レンタルではなく購入の対象です。特定福祉用具販売という仕組みで、購入費の1〜3割(所得に応じて)を自己負担する形になります。年度内(4月〜翌3月)の上限は10万円です。
Amazonや楽天で買ったシャワーチェアでも介護保険は使えますか?
原則として使えません。都道府県の指定を受けた事業者から買う必要があります。先にネットで買ってしまうと自費扱いになる場合があるので、まずケアマネジャーに相談して、指定事業者経由で買うのが安全です。
入浴補助用具にはどんな種類がありますか?
シャワーチェア、浴槽手すり、入浴台(バスボード)、浴槽内椅子、浴室内すのこ、浴槽内すのこ、移動用浴槽が介護保険の対象品目になります。肌に直接触れるものなので、レンタルではなく購入扱いです。
介助者(家族)が使うためのシャワーチェアも保険で買えますか?
介護保険で買えるのは要介護認定を受けた本人が使う用品だけです。介助者用は対象外なので、自費で別に買う形になります。家族用は安いタイプで割り切って2脚体制にするご家庭も多いです。
シャワーチェアの相場はいくらくらいですか?
自費購入の場合、座面のみのシンプルなタイプで3000〜5000円、背もたれや肘掛けが付いた介護向けは5000〜15000円が一般的です。介護保険の特定福祉用具販売を利用すれば、対象品なら自己負担1〜3割で済みます。
まとめ|入浴補助椅子と介護保険の付き合い方
今回の入浴補助椅子で気づいたことを、次の自分が楽できるように残しておく。
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入浴補助椅子(シャワーチェア)は介護保険のレンタル対象ではなく購入対象。特定福祉用具販売という仕組みで1〜3割負担で買える
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「指定事業者」から買わないと保険適用にならない。先にネットで買ってしまうと自費になる場合があるので、ケアマネ経由が安全
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年度内10万円の購入枠は他の入浴・排泄用品と共通。何にいくら使うかを年度の頭で計画する
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介助者用の椅子は保険対象外。自費でも安いタイプを1脚用意しておくと家族側の腰が守れる
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立ち上がりやすさを優先して座面高調整・背もたれ・肘掛け付きを選ぶと、本人の入浴拒否が減ることがある



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