母の歩行がふらついた夏の終わり

要介護3になって2年半が経っていた。
脳梗塞の後遺症で左半身に麻痺が残る母は、家の中をT字杖と手すりでなんとか歩いている。でも夏の終わりに玄関で一度ふらついて、靴箱に手をついて踏みとどまった。本人はケロッとしていたけど、見ていたわたしは心臓がきゅっとなった。
その夜、ケアマネさんに電話した。「4点杖、考えてみてもいいかもしれませんね」と返ってきた。
4点杖は2024年4月から、介護保険でレンタルか購入を選べる対象になっている。それも知らなかった。
📖 この記事でわかること
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多点杖(4点杖)は介護保険の対象。2024年4月からレンタル・購入を選択できる
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自費で買う場合は¥3,000〜¥5,000台が中心。我が家は家用と外出用で分ける方向に動いた
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「軽量・おしゃれ」で選んだ最初の1本は、片麻痺の母にはちょっと支え不足だった
4点杖を勧められたきっかけ

ケアマネさんが家に来た時、母の歩き方をしばらく黙って見ていた。
「右足を出したあと、左足にすぐ体重を移せないですね。T字杖だとその一瞬が不安かも」と言った。
要は、左半身に力が入りにくいから、片側1点で支える普通の杖だと支えきれない瞬間がある、ということだった。脳梗塞から2年半、本人なりに歩き方が変わってきていたらしい。
それまで4点杖は「車椅子の手前にある何か」くらいの認識しかなかった。母も「あんな本格的なやつ、まだ早い」と最初は嫌がった。でも玄関のふらつきを思い出して、わたしから押した。
《2年後の自分への備忘録》
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杖の選び直しは「歩き方の変化」がサインらしい
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本人が嫌がっても、ケアマネさんに見てもらうと客観的に判断できる
介護保険で多点杖は使えるのかを調べた

帰ってからネットで調べた。
歩行補助杖のうち、多点杖とロフストランドクラッチは介護保険の対象。一方でT字杖と松葉杖は対象外、というのが基本ルールらしい。これは2024年4月の制度改定で「レンタル・購入の選択制」になった3品目(固定用スロープ、歩行器、歩行補助杖)のひとつ。
選択の目安は、
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状態が安定していて長く使う見込み → 購入が安い(メンテナンスは自己負担)
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数ヶ月の使用、状態変化が見込まれる → メンテナンス付きレンタルが安心
という感じだった。レンタルなら月の自己負担は1割で月100〜300円台が多いと聞いた。
うちの場合、母の麻痺が今後大きく変わる見込みは薄かったし、家用と外出用で2本欲しかったので結局自費購入を選んだ。「自費でもこの価格帯なら」とわたしが先に納得したのが大きい。
判断に迷ったらケアマネさんに「うちはレンタルと購入どっちが向いてますか」と直接聞くのが早い。
《2年後の自分への備忘録》
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多点杖は介護保険の対象(T字杖・松葉杖は対象外)
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2024年4月からレンタル/購入を選べるが、判断はケアマネ相談がいちばん早い
最初に手を出して微妙だった1本
最初に買ったのは「理学療法士監修」とキャッチコピーのある軽量4点杖だった。¥3,000。
楽天で「おしゃれ」「女性用」と書いてあって、色も母が選びやすい落ち着いたグレー。レビューも200件以上で評価4.5。失敗しなさそうに見えた。
楽天1位 理学療法士・作業療法士監修の4点杖 を選んだ理由はそれだった。
届いて使わせてみたら、母が言ったのは「軽いね。でも、なんか不安」。
軽量化のせいかベース部分が小さめで、寄りかかった時にちょっと揺れる感覚がある、と。介助しているわたしも同じことを感じた。家の平らな廊下なら問題なく使える。
ただ玄関の段差付近とか、床が少ししなる場所では心許ない。そういう場面ほど杖を頼りたいのに、と思った。
基本情報
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価格:¥3,000(2026-05-06時点)
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自立式・伸縮タイプ・軽量・先ゴム付き
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介護保険:多点杖として対象(自費購入も可)
よかった点:
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軽くて持ち運びやすい
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価格が手ごろで「とりあえず試す」用には十分
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レビュー数が多くて選びやすかった
気になった点:
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ベースが小さめで、体重を強く預けると揺れる感覚がある
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母のように片側に明らかな麻痺がある場合、支えがちょっと足りない
「まだ歩く力がしっかり残っていて、杖をちょい足し感覚で使う人」には向いていると思う。母みたいに片麻痺がある場合は、もう一段安定したやつを選んだ方が遠回りしない、というのが2週間使った正直な結論だった。
楽天1位 理学療法士・作業療法士監修 4点杖(lilyluce)
《2年後の自分への備忘録》
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「軽量・おしゃれ」は本人の心理的ハードルを下げるが、安定性とは両立しないこともある
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試す前提なら、価格の安いものから入って正解だった
家の中で常用に落ち着いた1本
軽量タイプの不安が拭えなかったので、もう少しベースのしっかりしたものを探した。
行きついたのが らくらく4点杖 Sサイズ だった。¥4,180。
二段グリップが付いていて、座ったところから立ち上がる時に下のグリップ、歩く時に上のグリップと持ち替えられる。母みたいに椅子からの立ち上がりが時々ぐらつく人には地味に効く設計だった。
使い始めて2ヶ月。家の中ではこれが定位置になった。玄関の段差を昇降する時、寝室から居間に出る時、食卓の椅子から立つ時。すべての場面で、最初の杖よりも踏ん張りが効いている、と母も言う。
基本情報
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価格:¥4,180(2026-05-06時点)
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自立式・二段グリップ・伸縮(6段階)・スチール脚部
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介護保険:多点杖として対象。我が家は自費購入を選択
よかった点:
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立ち上がりの時に下グリップを掴めるのが片麻痺の母にちょうどいい
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ベースが少し広めで、床が傾いた場所でも安定感がある
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自立して立つので、玄関で靴を履かせる時にすぐ手放せる
気になった点:
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軽量タイプより300g程度重い。連続で外出するには少しつらいかも
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色がシンプルで、見た目重視の人には地味に映るかも
「家の中で安定して使いたい」「立ち上がりも杖でアシストしたい」家族にはこれで合うと思う。逆に外出を1本でカバーしたい人は、次の折りたたみタイプを検討したほうが現実的。
らくらく4点杖 Sサイズ(ヘルシーアンドライフ サニー)
《2年後の自分への備忘録》
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二段グリップは片麻痺・立ち上がり不安に地味に効く
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重さと安定性はトレードオフ。家用と外用で分ける手もアリ
外出用に折りたたみタイプも気になっている

家の中はらくらく4点杖で安定したけど、外出は別問題だった。
通院で母を車に乗せると、車内で杖をどう置くかが地味に困る。立てかけても倒れる。助手席の足元に転がしておくと足を置く場所がない。
そこで気になったのが Habilisの折りたたみ式4点杖。¥4,380。
理学療法士開発でSGマーク取得。色は桜・藤・青い胡蝶蘭の3種類があって、介護用品らしくないデザインなのが母にも好評だった。「これなら持って出てもいい」と言ってくれた。
まだ買い切ってはいないけど、ケアマネさんが「外出が増えるなら折りたためるのは便利」と言っていたので、近い将来買い足すかもしれない。買ったら別記事で書く。
基本情報
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価格:¥4,380(2026-05-06時点)
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折りたたみ式・自立式・SGマーク取得・3色(和柄)
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介護保険:多点杖として対象。自費購入も可
よかった点(カタログ・口コミ参考):
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コンパクトに折りたためて車内・カバンに収まりやすい
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桜柄など介護用品らしくない見た目で、本人が抵抗を持ちにくい
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SGマーク取得で安全基準への安心感がある
気になりそうな点:
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まだ自分で長期使ってない(カタログ判断)
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折りたたみ機構の分、固定式よりベース安定性は劣る可能性
Habilis 折りたたみ4点杖(理学療法士開発・SGマーク取得)
《2年後の自分への備忘録》
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外出が増えるなら折りたためる4点杖が車移動に便利
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「介護用品らしくないデザイン」は本人の使う気持ちにけっこう影響する
2ヶ月使った時点での率直な感想
杖って、買い物として失敗しても損失額が小さいのがありがたかった。
¥3,000のやつは正直、母にはちょっと支え不足だった。でも¥4,180のほうに乗り換えたことで、家の中の歩行は明らかに安定した。立ち上がりの時のヒヤリも減った。
軽量タイプがダメだった、というより、母の状態に対しては軽すぎた、というのが正しい感想だと思う。歩行の安定が足りない人は、最初から二段グリップ・ベース広めのものを選ぶ方が遠回りしないかも。
それと、4点杖が介護保険の対象だと知らなかった自分が一番反省点だった。今でも自費購入で運用しているけど、ケアマネさんに先に「うちはレンタル?購入?」と聞いていれば、もうひと工夫できた気がする。
❓ よくある質問
多点杖(4点杖)は介護保険で使えますか?
はい、対象です。歩行補助杖のうち、多点杖とロフストランドクラッチが介護保険の対象(T字杖・松葉杖は対象外)。2024年4月からレンタルか購入かを選べる選択制になりました。判断に迷ったらケアマネさんに相談するのが早いです。
4点杖は何円くらいから買えますか?
楽天で見ると¥3,000〜¥5,000台が中心です。我が家は¥3,000の軽量タイプから入って、¥4,180の二段グリップ付きに乗り換えました。介護保険のレンタルなら、自己負担1割で月100〜300円台になることが多いと聞きました。
軽量タイプとしっかりタイプ、どっちを選べばいいですか?
「家のなかをちょい足しで歩く」「自立歩行はできる」人なら軽量タイプで十分なことが多いです。母のように片麻痺で体重を一瞬預ける必要がある場合は、ベースが広めで二段グリップ付きの方が安心でした。本人の歩き方をケアマネさんに見てもらうと客観的に判断できます。
折りたたみ式と固定式はどう違いますか?
通院や旅行など外出が多い家庭は折りたたみ式が便利です。車内に立てかける必要がなく、カバンや収納袋にも入ります。家の中だけで使うなら固定式(自立式)の方がベースが安定して使いやすい印象でした。我が家は家用と外用で分ける方向に動いています。
まとめ|杖の選び直しはケアマネ相談がいちばん早い
今回の4点杖選びで気づいたことを、次の自分が楽できるように残しておく。
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学び1:多点杖は介護保険の対象。レンタルか購入を選べる(2024年4月〜)
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学び2:軽量・おしゃれは本人ハードルを下げるが、片麻痺ではベース広め・二段グリップが安定
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学び3:買う前にケアマネさんに歩き方を見てもらうのが遠回りしない方法
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学び4:家用と外用で分けるなら、固定式と折りたたみ式の組み合わせが現実的



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