母がポータブルトイレから立ち上がれなくなったのは、1月の朝だった
要介護3になって2年が経っていた頃。
朝、わたしがキッチンで母の朝食を作っていたら「ちょっと…」という声が聞こえた。
母はポータブルトイレに座ったまま立ち上がれず、手をついても腰が上がらない状態だった。
その日からケアマネさんに「手すりを検討しましょう」と言われ、据え置き型の手すりを探し始めた。
壁に穴を開けられない賃貸暮らしなので、据え置き型しか選択肢がなかった。
工事不要で設置できる据え置き手すりでも、選び方を間違えると倒れる・不安定・狭い・邪魔になる
📖 この記事でわかること
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据え置き手すりは 自重で支える仕組みだから、ベースプレートの大きさと重量が命
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トイレ用・玄関用・歩行補助用で必要な手すりの高さと形が全然違う
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1本で全箇所を使い回すのは無理。失敗して2回買い直した
最初に買った手すりはトイレで倒れた

ネットで「据え置き手すり おすすめ」と検索し、最初に出てきた安いものを楽天で注文した。
届いたのは軽量タイプで、片手で持てるくらいの重さだった。組み立ても簡単で、トイレ横に設置した。
母が立ち上がる時に体重を預けた瞬間、手すりがぐらっと傾いた。
幸い倒れはしなかったけど、母は「怖い」と言ってその後使わなくなった。
ケアマネさんに相談したら「据え置き型は自重で支えるから、軽すぎると不安定なんです」と教えてもらった。
体重を預ける場所に使うなら、20kg以上あるものが推奨らしい。
最初のやつは7kgしかなかった。ただの飾りになった。
《2年後の自分への備忘録》
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据え置き型は自重で倒れを防ぐ仕組み
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7kgの軽量品は体重を預ける用途に向かない
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ケアマネに相談してから買えばよかった
2本目は高さが合わず玄関で邪魔になった
失敗を踏まえて、今度は20kg超えの重量タイプを買い直した。
メーカーは矢崎化工の「たちあっぷ」シリーズで、福祉用具レンタルでも使われている定番品らしい。
トイレで使ってみたところ、安定感はばっちりだった。母も「これなら大丈夫」と言った。
ところが玄関でも使おうとして問題が起きた。
玄関は段差が15cmあり、靴を履いて立つには手すりの高さが低すぎた。
トイレでは座面の高さに合わせて調整していたが、玄関の段差+靴の厚みで全く高さが足りない。
手すりを一番高く調整しても、母の腰より下に来てしまい、引っ張り上げる姿勢になった。
引っ張る力だと転倒リスクが上がるとケアマネに言われ、結局玄関では使えなかった。
《2年後の自分への備忘録》
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据え置き手すりの高さ調整範囲には限界がある
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トイレと玄関では必要な高さが違いすぎる
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1本で全箇所を使い回す発想が間違いだった
玄関用に階段設置タイプを追加購入
玄関は段差昇降が主目的なので、階段向けの据え置き手すりがあるとケアマネに教わった。
アロン化成の「アットグリップ AT-CR」の階段設置タイプを購入した。
これは支柱の角度が固定ではなく、段差に合わせて調整できる。
届いてすぐ玄関に設置し、母が靴を履く時に使ってみた。
今度は高さがぴったり合い、母は上からつかんで体を持ち上げる姿勢で立ち上がれた。
段差15cmに対応するだけでなく、床に置くベースプレートも広めで、倒れそうな不安感はなかった。
ただし、この手すりは奥行きが1m以上あり、トイレには入らない。用途専用品だった。
《2年後の自分への備忘録》
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階段設置タイプは段差昇降に特化している
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奥行きがあるのでトイレには向かない
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据え置き手すりは「用途専用」で選ぶべき
リビングの立ち上がりには単体タイプが楽だった
母はリビングのソファに座っている時間が長く、そこから立つのも辛そうだった。
ソファは壁際にあり、スペースに余裕がない。
奥行きの短い「単体タイプ」があるとケアマネに聞いて、アットグリップの240タイプを追加購入した。
これは奥行き45cmで、ベースプレートをソファの足元に滑り込ませる形で設置できた。
母はソファから立つ時に手すりを使って、前方に体重を移動させながら立ち上がれるようになった。
立ち座りの補助としては、奥行きが短い方が邪魔にならず、置く場所も選びやすかった。
《2年後の自分への備忘録》
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単体タイプは奥行きが短く、スペース制約がある場所に向く
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ソファ・ベッド横など「立ち座り補助」用途に最適
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階段設置タイプと役割が違う
3本揃えて分かった選び方の基準
3回買い直して、やっと「据え置き手すり」の選び方が見えてきた。
トイレ・玄関・リビングで必要な手すりの形が全く違うということを最初から知っていれば、無駄な買い物をしなかった。
用途別に選ぶ基準を整理すると:
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トイレ(立ち座り補助): 高さ調整ができて、重量20kg以上のもの
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玄関(段差昇降): 階段設置タイプで、角度調整ができるもの
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リビング(ソファ・ベッド横): 単体タイプで奥行きが短いもの
福祉用具のレンタルも検討したが、介護保険で据え置き手すりはレンタル対象。月額数百円で使える。
ただし、ケアマネを通して福祉用具専門相談員に依頼する必要があり、即日では届かない。
わたしは「すぐに欲しい」と焦って自費購入してしまったけど、レンタルの方が合わなかった時の交換も楽だった。
《2年後の自分への備忘録》
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据え置き手すりは 介護保険レンタル対象
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月額数百円で借りられる(ケアマネ経由)
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すぐ欲しくても、まずケアマネに相談すべきだった
据え置き手すりの落とし穴と安全確認
据え置き手すりは工事不要で便利だけど、安全に使うための確認ポイントがある。
- 床との接地面が滑らないか: フローリングに直置きすると、ベースプレートが滑る。滑り止めシートが付属しているか確認する
- 手すりの握り部分の太さ: 母の手に合わない太すぎる握り棒は、握力が弱いと滑る
- 設置スペース: カタログのサイズ表記は最小値で、実際は+10cm以上の余裕が必要
- 定期的なガタつき確認: ベースプレートのネジが緩むと倒れやすくなる。月1回はチェックする
ケアマネさんから「据え置き型でも、体重を『引く方向』に使うと倒れやすい」と教わった。
正しいのは「上から下に押す」「前方に体重移動しながら立つ」という使い方。
母には何度か練習してもらい、今は自然に使えるようになった。
《2年後の自分への備忘録》
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据え置き手すりは「引く」使い方では倒れやすい
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正しくは「押す」「前に体重移動」
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定期的なネジの締め直しが必要
2年使って今も残っているもの
結局、3本とも今も家に置いてある。
トイレには「たちあっぷ」、玄関には「アットグリップ 階段設置タイプ」、リビングには「アットグリップ 単体タイプ」。
最初の軽量品だけは使わなくなり、物置に眠っている。
母の立ち上がる力は少しずつ落ちているけど、手すりがあることで自分で立てる時間が延びた。
わたしが仕事中に母が一人で立ち上がる時も、手すりを使えば転倒リスクが減る。
3回買い直して分かったのは、据え置き手すりは「1本で全部」を狙わないことだった。
❓ よくある質問
据え置き手すりは介護保険でレンタルできますか?
できます。ケアマネさんに相談して福祉用具専門相談員を紹介してもらえば、月額数百円でレンタル可能です。自費購入より先にケアマネに相談することをおすすめします。
据え置き手すりが倒れないか心配です。何を基準に選べばいいですか?
自重で支える仕組みなので、重量20kg以上のものを選んでください。軽量タイプは体重を預ける用途には向きません。ベースプレートが広いものほど安定します。
トイレと玄関で同じ手すりを使い回せますか?
難しいです。トイレは立ち座り補助、玄関は段差昇降と用途が違うため、必要な高さと形状が全く違います。用途専用で選ぶ方が安全です。
据え置き手すりで気をつけることはありますか?
床との接地面に滑り止めシートを敷く、定期的にネジの緩みを確認する、正しい使い方(引くのではなく押す・前方に体重移動)を練習することが重要です。
まとめ|据え置き手すりは用途専用で選ぶ
3回買い直して学んだことを、次の自分が楽できるように残しておく。
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据え置き手すりは自重で倒れを防ぐから、20kg以上の重量品を選ぶ
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トイレ・玄関・リビングで必要な形が違うので、1本で使い回せない
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介護保険レンタル対象なので、まずケアマネに相談する
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定期的なネジ締め確認と、正しい使い方の練習が必要



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