母が夜中にベッドから滑り落ちかけた話
ある夜、寝室から「ドン」という音がした。
慌てて駆け込むと、母が布団ごとベッドの端からずり落ちかけて、半身が宙に浮いていた。左半身に麻痺があるから、自力で戻れない。
その日、わたしは「ベッドの柵」をきちんと選び直そうと決めた。
最初に買ったのはホームセンターで適当に選んだ安い柵。ぐらつくし、外れる。母が手をかけても支えにならない。それで結局、何種類かを試して買い足すことになった。失敗を含めての話を残しておく。
📖 この記事でわかること
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ベッドの柵は「マットレスに挟むだけ」のタイプか「自立スタンド型」かで選び方がまるで違う
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体重を預けたい人には、軽量の折りたたみベッドガードでは力不足になりやすい
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介護保険レンタル対象の手すりもあるので、買う前にケアマネジャーに相談する選択肢がある
最初の失敗:見た目で選んでぐらついた話
最初に飛びついたのは、近所のホームセンターで2,000円台で売っていた折りたたみのベッドガード。
「とりあえず転落だけ防げればいい」と思っていた。
でも実際にベッドに差し込んでみると、マットレスが薄いタイプには合わなかった。差し込み板が浅くて、母が寝返りを打つと柵ごとずれてしまう。
母に「これにつかまって起きてみて」と言ったら、柵が手前に倒れかけた。ひやっとした。
その日、わたしはネットで「介護 ベッド 柵 選び方」と検索し直した。
《2年後の自分への備忘録》
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「転落防止」と「立ち上がり補助」は別物。買う前にどちらを優先するかを決めておく
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ベッドガードは差し込み板の長さを確認する。マットレスが薄いと固定が甘くなる
Sunruck つかまるくん|立ち上がりに体重を預けたい人向け
次に買い直したのが、Sunruck(壱番館STORE)のベッド手すり「つかまるくん」。
母は左半身に麻痺があるけれど、右手の握力はまだ残っている。立ち上がる時に「掴むもの」が必要なんだ、とケアマネさんに言われていた。
基本情報
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価格:¥7,680(2026-05-04時点・楽天)
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高さ調節:43〜49cm(3段階)
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耐荷重:100kg
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設置:マットレス下に差し込み+床板にネジ固定可
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介護保険:自費購入扱い(市販品。ただし介護保険レンタルの「ベッド用手すり」も別途あるためケアマネに相談する選択肢あり)
差し込みプレートが前のベッドガードより厚くて、マットレスにしっかり噛んだ。さらにベッドの床板にネジで固定するオプションがついていて、わたしはそこまでやった。
母が手を置いて体重をかけても、ガクンと動かない。これが安いベッドガードとの一番の違いだった。
ただ、組み立ては夫が単身赴任で帰ってきた週末にやってもらった。一人で工具を使うのは正直しんどい。
余計な小物入れがついているのは便利で、ティッシュとリモコンを置けるのが地味に効く。
気になった点:
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重さは2.7kgしかないので、つかまるくんを移動させたい時は意外と簡単に動く(落とし穴)
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立ち上がりには十分だけど、寝返り時の「転落防止柵」としては高さが少し低い
夜中の転落対策には、別途ベッドガードを足すことになった。
Sunruck つかまるくん(ベッド手すり 高さ3段階)
《2年後の自分への備忘録》
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立ち上がり用は「動かない固定」が命。ネジ止めできるかどうかをチェック
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重さは軽すぎても困る。本人が体重を預けるなら床板固定オプションは必須
折りたたみベッドガードの比較|ショップワールドと雑貨DEPO
転落防止にはやはりベッドガードが必要、と判断して2種類を試した。
1つ目はショップワールドの折りたたみベッドガード。
2つ目は雑貨DEPOの2個組ベッドガード(布団ずれ落ち防止ポケット付き)。
| 項目 | ショップワールド | 雑貨DEPO |
|---|---|---|
| 価格 | ¥3,780(半額時) | ¥2,530(2個組) |
| 幅 | 90cm | 短め2個組 |
| 用途 | 転落防止メイン | 布団ずれ落ち防止+小物 |
| 折りたたみ | 可(介護中の出入りで畳める) | 不可・差し込み式 |
| 介護保険 | 対象外(自費) | 対象外(自費) |
ショップワールドは折りたたみ機能が便利だった。母の介助でベッドサイドに座らせる時、柵が邪魔になることがある。手前にパタンと畳めるのが助かる。
雑貨DEPOは「ベッドガード」と書いてあるけれど、実際はずれ落ち防止用に近い。スマホやティッシュを入れるポケット付きで、母の枕元の小物がベッド下に落ちなくなった。
ただ、雑貨DEPOの2個組は転落防止用としては支えが弱い。母が体重を預けるとしなる感じがあった。「布団のずり落ち防止」と「夜の小物の整理」が主目的、と割り切るならアリだった。
ショップワールドは耐荷重もそこそこあって、母が寝返り時に手で押さえても歪まなかった。
良かった点:
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ショップワールドの折りたたみ機構は介助動線にやさしい
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雑貨DEPOのポケットは寝室周りが散らからない地味なメリット
気になった点:
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どちらも「立ち上がり用」ではない。立ち上がる時に体重を預けるなら別に手すりが必要
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ショップワールドは取付けの差し込み長さがマットレスに合うか確認が必要
ケアマネさんに「夜の転落と日中の立ち上がりは別の道具で分けたほうが安全」と言われていて、それを買い物で痛感した。
ショップワールド 折りたたみベッドガード 90cm
雑貨DEPO 布団ずれ落ち防止ベッドガード 2個組(ポケット付き)
《2年後の自分への備忘録》
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折りたたみ機能は「介助で柵が邪魔になる場面」がある人には地味に効く
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「ベッドガード」と書いてあっても用途が「布団ずれ防止」のものがある。商品名だけで判断しない
dream-brother サイドレール|起き上がりも兼ねたい時の選択肢
ベッドガードと立ち上がり手すりの中間に近いのが、dream-brotherの3段階高さ調節サイドレール。
母の友人宅で使っていて気になっていた商品。価格も4,000円台で、つかまるくんよりは手が出しやすい。
基本情報
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価格:¥4,350(2026-05-04時点・楽天)
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高さ調節:3段階
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機能:サイドレール+収納ポケット+落下防止
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レビュー件数:17件・平均4.88
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介護保険:対象外(市販品)
特徴は「起き上がり」と「転落防止」の両方を狙った設計だった。サイドレールの形状が高くて、つかまるくんより寝返り時のガード性能はある。
ただ、わたしの母(要介護3で左半身に麻痺)のように体重を完全に預けるケースだと、Sunruck の床板固定タイプの方が安心感があった。
dream-brother のレビュー評価は高く、「自分でまだ起き上がれるけど補助が欲しい」段階の人には合うと思う。母の状態より少し軽い、要介護1〜2あたりの人を介護している友人に勧めたら満足してくれた。
dream-brother ベッド用手すり サイドレール 3段階高さ調節
《2年後の自分への備忘録》
- 「兼用タイプ」は本人の体力に左右される。要介護度と握力をケアマネさんに相談してから選ぶ
エムール 立ち上がり補助手すり|ベッドサイドの「もう一本足したい」時

最後に買い足したのが、エムールの立ち上がり補助手すり(自立スタンド型)。
ベッドの脇に置く独立した手すり。ベッドから降りた直後の「立ち上がる瞬間」をサポートしてくれる。
基本情報
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価格:¥7,990(2026-05-04時点・楽天)
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段数:2段
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設置:自立スタンド型・移動可能
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用途:玄関・トイレ・寝室・リビングでも使える
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介護保険:自費購入(ただしケアマネさんに相談すれば、工事不要の置き型手すりはレンタル対象になる場合あり)
賃貸マンションだから壁にネジ穴をあけられない。リフォーム不可。だから「置くだけ」のスタンド型は選択肢が限られる。
エムールのこれは脚部のフレームが太めで、母が体重を預けても倒れない。組み立ては夫の帰宅週末に頼んで、女ひとりだと正直しんどい部類だった。
レビュー件数は6件と少ないけれど、評価は4.33。送料無料は地味にありがたい。
ケアマネさんからは「工事不要の置き型手すりは、介護保険のレンタル対象になることもあるから、買う前に一度相談してください」と言われていた。実際、別タイプの置き型手すりは月数百円のレンタルで済んだ友人もいる。買う前にケアマネさんに一声かけるのは、わたしが3年目になってようやく身についた習慣。
エムール 立ち上がり補助手すり 2段(自立スタンド型)
《2年後の自分への備忘録》
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賃貸でリフォーム不可の家は「置き型」一択。脚のフレームが太いものを選ぶ
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工事不要の手すりは介護保険レンタルの対象になる場合がある。買う前にケアマネさん確認
2ヶ月使ってみて、いま思うこと
5種類を試して、わが家に残ったのは「Sunruck つかまるくん(立ち上がり用)」「ショップワールド 折りたたみベッドガード(夜の転落防止)」「エムール 立ち上がり補助手すり(ベッドから降りた直後)」の3点になった。
ひとつで全部こなそうとして失敗した。夜の転落防止と昼の立ち上がり補助は、求められる強度も高さも違う。役割を分けたほうが、結局は安全で長く使える、というのが2ヶ月の結論。
最初に「2,000円のベッドガード1つで何とかなるだろう」と思っていた自分に、いまの自分が言いたいことはひとつ。「買う前にケアマネさんに一言聞きなさい。レンタルで済むかもしれないから」。
夫は単身赴任で介護にはほぼ関与しないので、組み立ても買い物もわたし一人。だから余計に、買い直しの出費は痛い。
❓ よくある質問
介護ベッドの柵は介護保険でレンタルできますか?
「特殊寝台付属品」としてのサイドレールは介護保険レンタルの対象になります。ただし市販のベッドガードや今回紹介したような自立スタンド型の手すりは、商品によって自費購入か工事不要の置き型手すりとしてレンタル対象になるかが分かれます。買う前にケアマネジャーに確認するのが一番確実です。要支援1・2や要介護1の方は原則として特殊寝台付属品の保険適用が制限されるので、その点も合わせて聞いておくとよいです。
折りたたみベッドガードと立ち上がり手すりはどう違う?
折りたたみベッドガードは「寝ている間の転落防止」が主目的。立ち上がり手すりは「起き上がる瞬間に体重を預ける」用途です。我が家では2ヶ月使ってみて、ひとつで両方こなすのは無理がありました。本人が体重を預ける必要があるなら、別途「立ち上がり用」を用意することをおすすめします。
ベッド柵の選び方で一番見落としがちなポイントは?
マットレスの厚みと差し込みプレートの長さの相性です。差し込みが浅いタイプは薄いマットレスではぐらつきます。あとはベッドの床板にネジ固定できるかどうか。体重を預ける用途なら、床板固定オプションがある商品を選ぶと安心感が違います。
賃貸で壁に手すりを取り付けられない場合は?
工事不要の置き型(自立スタンド型)手すりが選択肢になります。記事中で紹介したエムールのようなタイプです。さらに、ケアマネジャーに相談すれば工事不要の手すりが介護保険レンタルの対象になる場合もあります。月数百円のレンタル料で済むなら、買うより先にそちらを検討する価値があります。
まとめ|失敗しない介護ベッドの柵選び
今回ベッド柵で迷った経験を、次にまた選ぶ自分のために残しておく。
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「転落防止」と「立ち上がり補助」は別物。一つでまとめようとしない
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マットレス厚と差し込みプレートの長さを必ず合わせる
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体重を預ける用途なら、床板固定できるかをチェック
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賃貸で工事不可なら自立スタンド型を選ぶ
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買う前にケアマネジャーに相談。介護保険レンタル対象なら月数百円で済むことがある



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